とある個展にお邪魔しました。アーティスト名をみてピンときた方、そうです。2010年に他界した、あのクリストファー・ネメスの娘、ネメス瑠姫さんの初の個展「オイル・オン・ペーパー」が11月6日まで開催中なんです。
ルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクター、キム・ジョーンズが2015年秋冬メンズコレクションで強烈なオマージュを捧げたのも記憶に新しいですが、多くのアーティストからリスペクトされるクリストファー・ネメス。80年代はロンドンのインディペンデントなファッションシーンを牽引し、90年代にはベースを東京に移して活動。その独自路線が圧倒的に格好良かった。
瑠姫さんも学生時代はセント・マーチンズでファインアートを学び、東ロンドンのショップ兼ギャラリースペースを運営するなど様々なアーティストやデザイナーと交流していたそう。2014年に東京に戻り、ファッションレーベル「クリストファー ネメス」を家族とともに受け継ぎながら、アーティスト活動をしています。
楽曲だけでなく生活の中の「音」を視覚化した作品は「図形楽譜のようなイメージ」と瑠姫さん。繰り返し描かれた抽象的な形を見ていると、ブリティッシュウールのようでもあり、お父上の縄モチーフにも通ずるものを感じずにはいられません。在廊していた彼女がその日着ていたのは、ステッチのほつれ具合が素敵なボルドーのシャツと、父が履いていたという黒い七分丈のパンツで、ともに「クリストファー ネメス」のもの。「父は一生の先生です」という彼女の言葉が胸に響きました。
週末のアート巡りのひとつに加えてみてはいかがでしょう。
【オイル・オン・ペーパー】
開催期間:10月22日(土) – 11月6日(日)
開館時間:11:00 AM – 8:00 PM(会期中月曜定休)
開催場所:Cale (カル)
東京都港区東麻布3-4-6 1F
TEL:03-6441-3661
http://cale.jp/
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。