冬限定の趣味に、編み物があります。だいたい12月になると編針を持ち始め、年末年始にTVを観ながら編み進めると盛り上がってきて、あれもこれも作りたい!となるのが例年の流れ。ただ完全なる自己流ですし、手作りのものをあげて喜んでくれる人なんてそうそういません。そこで餌食(?)となるのが3歳の子供です。子供のものって可愛いし、小さいからすぐ編みあがる。赤ちゃんの頃のおくるみから、帽子、手袋、カーディガン……いろいろ編みました。「わが子のために手作りを♪」などというほっこりするものではなく、「このあふれ出る制作意欲をどこかにぶつけたい!」という理由で量産される作品たち。邪念を感じるのか、子供もあんまり身につけてくれませんが。
「手作りの子供服」と聞いて、思い出すのが1冊の写真集です。「TSUTSUI’S STANDARD」。筒井喜久恵さんという方が60年代~80年代にかけて、3人の子供に手作りした服を集めた写真集です。
手作りされた30年以上も前の子供服。これが、本当にモダンで素敵なんです。緑のベルベットのオールインワンや、かぎ針編みのビキニ、エスニックなワンピース……筒井さんの子供への深い愛情と、自由な精神がつまった服たちは、時間を経てもまったく色あせません。
こんな服を着て育った子供たちは、どんなセンスを持つ大人になったんだろう。純粋に会ってみたいなと思います。
ミニマリストに憧れながらも、己の物欲と食欲から逃れられません。好物は生ビールと生牡蠣と生肉、そして大きなイヤリング。