小さい頃は、一度でいいからもらってみたいと思っていました。真っ赤なバラの花束を。大人になったらどこかの男性と巡り会って、さらには付き合ったりもして、そしてある日突然ドラマティックな演出とともに、彼が贈ってくれるんじゃないかって。淡い期待を胸に秘めつついざ大人になってみれば、そんな機会はドラマ以外ではほとんどないということに気づきました。というか、仮に恋人や夫がいるとしても、バラの花束をいきなり差し出されたらちょっと戸惑う。あるいはそれを通り越して興醒めするかもしれない、とさえ思う今日この頃です。
ずいぶんとドライな人間になってしまったからでしょうか、最近ではみずみずしく情熱的なバラの花束よりも、ドライフラワーの方が好きになりました。そのことを確信したのがつい先日のこと。誕生日を迎えた私に、友人がドライフラワーをプレゼントしてくれたんです。
岸本宗也さんが主宰する、BLUMEN WERKSTATTのブーケ。「男性も持てる花束」をコンセプトに、フラワーアレンジメントなどを幅広く手がけています。ドライフラワー特有の色褪せ具合が何ともノスタルジック。確かに男性が持っても違和感のないシブさを感じるアレンジメントが絶妙にスタイリッシュです。華々しく鮮やかな生花も素敵ですが、こういったドライフラワーの素朴な美しさの方が、今の気分や自分の部屋の雰囲気にマッチしているような気がします。気合いの入り過ぎないラフさと女性っぽくなり過ぎないジェンダーレス感が、なんだかちょうどいいんですよね。水やりの手間も省けるし(ズボラ発言)。
岸本さんの作品は、インスタグラム(@8kso)で見ることができます。
オーダーはDMで受付中とのことなので、ぜひチェックしてみてください。どれもセンス抜群です。
エディターHAYASHI
生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。