男ウケするヴィンテージ

ヴィンテージショップが好きです。大量の古着が隙間なくビッシリと並んでいたり山積みされていたりする店内にいるだけで、ちょっとアブナイ表現だけどハイになる。本屋に行くと便意を催すという話がありますが、私の場合、古着屋でもそのような現象が起こります。ごった返す洋服を一枚ずつ手早く見ていく作業は、山のような仕事を一人でさばいているような気分にもなって、それだけでもけっこうストレス発散。そこからだいたい30分の1ぐらいの確率で、ものすごーく好みのパンチのきいたアイテムに遭遇します。この時の自分の瞳孔の開き具合は、おそらく半端じゃないはず。

こういうことを月に一度は必ずやります。一ヶ月以上あくとソワソワしてくるので軽い中毒かもしれません。最近いちばんのヒットだったのが、これです。多くのスタイリストさんも愛用する原宿の名店「ベルベルジン」で見つけた、80年代のアディダスのコットンプルオーバー。

当時のアメリカのオリンピック体操チームのためにデザインされたトレーニングウェアだとか。あん馬の刺しゅうがやけにシュールで、ベタ惚れしました。スターモチーフや文字プリントが軽快かつレトロで、トリコロールのポップな配色も個人的にかなりツボ。

パッチワークやプリントが抜かりなく施されたバックスタイルも最高です。
メンズのLサイズなので、着た感じはかなり大きいですが、「今日はちょっと彼氏の服、借りてきちゃいました♪」みたいな90年代っぽさがこれまた可愛い!と思い込んでいます。

しかも嬉しいことに、これを着ている日は、男性からお褒めの言葉をいただくことが多いのです。友人に限らず、見知らぬ男性から声をかけられることもありまして、こないだもカフェでいきなり男性の店員さんに「その服めちゃくちゃカッコイイっすね!」なんで言われちゃいました。つまり、この服を着ていると男性からのウケがいいんです。ただし、勘違いしてはいけない。確かにウケはいいが、決してモテたりはしません。「その服カッコイイっすね!」、以上、です。そのあとに「よかったら今度僕と……」なんていう素敵な展開は、まだ一度もありません。まあ冷静に考えれば、服一着でそんな上手くいくはずがないんですが……。仮にそんな夢のような服があれば、きっとバカ売れするんでしょうね。

というわけで、とっておきのカンバセーションピースのご紹介でした。
会話のきっかけになる服といえば、今発売中の7月号「カンバセーションTシャツ」特集もぜひ読んでくださいね。

“エディターHAYASHI”

エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと長いベースソロが好物。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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