2016.11.07

洋服のお医者さん

そういう年頃です。身体の肉の付き方も変わってくるし、自分でもびっくりするくらい変なところから汗をかくようになりました。となると洋服の着方も変わってくるわけで、例えばプルオーバータイプのアウターがこの前の冬あたりからちょいとしんどくなってきたわけです。被るタイプのアウター、大好きなんですけどね。

例えばミンクのプルオーバー。タートルネックのかたちも素敵で、白シャツの上から着たり、冬の頭はTシャツに重ねたり、活躍していたのですが今年は作り変えてみました。前を開けて、カーディガンとして蘇った結果がこちらです。首元にはマグネットタイプのボタンが施してあるので、フェイスラインをくるっと囲むことができる。その下部にはループ状の留めボタンが隠されているので襟の表情も多彩に楽しめます。

手掛けてくださったのは銀座三越4階の「アトリエロングハウス」。ニットのサイズを詰めたり、ワンピースをトップスに作り変えたり、以前からお世話になっているのがこちらの長屋先生です。単純にサイズを変えるなら、大抵のお直し専門店でできること。長屋先生に相談する理由は、全体のバランスを鑑みて、さらには元の創り手の意図も汲んだうえで洋服を蘇らせる、そんな稀有な感覚と技術をもった「職人」だから。過程で最も大切なのがフィッティング、長屋先生はそう言います。緻密なフィッティングとピンワークにより問題点を突き詰めていく、そのプロセスは長屋先生の技術と視点があってのもの。各段階でフィッティングを必ず行い、細かい調整を経て洋服がまた新しい魅力をもって蘇っていくさまは心に迫るものがある!これ本当です。

手持ちの既製品でも、ちょっとした補正で新しい表情が生まれるものです。もし古くなってしまったり、ちょっと着づらいな、そんなとっておきの一枚があったらぜひ相談してみてください。アトリエロングハウスは銀座三越4階、完全予約制で電話番号は03(3562)7012です。

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エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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