2017.01.17

改めて、GUCCIのリングの力

 2015年、2月。アレッサンドロ・ミケーレのファースト・コレクションはセンセーショナルでした。もともとギークやレトロといったテイストが好きな自分の素直な感想は「アラ、可愛い」でしたが、伝統的な”イタリアン・スタイル”を激しく逸脱したコレクションに、あからさまに眉をひそめる欧米人ジャーナリストも。コレクションのインパクトもさることながら、逆説的にヨーロピアン・エレガンスの概念を実感したのでした。

その後の新生グッチの快進撃は皆さんも知るところ。ファースト・コレクションのインパクトを引きずりながら、ホットな気持ちで手に入れたのは服ではなくリングでした。ゴロゴロしたリングをこれでもかとつけたランウェイのスタイリングに影響されたのです。写真のものと、琥珀色のクリスタルをくわえたアンティーク調のライオンのリングを買いました。これらに加えて手持ちのヴィンテージの指輪と組み合わせたりと、ほぼ毎日のようにしていましたが、突然ふつりと飽きてしばらく寝かせていました。

ですが最近、また新鮮な気持ちで身に着けています。自分はこの冬、ギークなムードが気分でオーバーサイズのシルエットに仕上げることに凝っています。たとえばぶかっとしたニットやスエットに、ひざ下丈のスカートを合わせる。ふと気づいたのですが、これって80年代のヤンキーみたいだなと。そんな危ういバランスも、このリングをするだけで正統化される気がします。また、ニットの出動率が高い冬は着こなしがほっこりしたり単調になりがちですが、これひとつ加えるだけでツイストがきき、退屈ではなくなる。ジュエリーという小さなアイテムなのに、スタイルを変えてしまう力はさすが。ちなみに今のマイブームは、反対色の赤に合わせることです。

ところで、これと一緒に買ったライオンはいつの間にか行方不明になってしまいました。家中どこを探しても見つからない。再会できたら、あんな服やこんな服に合わせたいという妄想プランばかり空しく浮かぶ今日このごろ。ちょっと忘れかけたころにまたふらっと現れるのではないかしら。今は「戻っておいで」という念を静かに送り続けています(笑)。

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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