数年前にポートランドへ出張したとき、『KINFOLK』の編集部を取材する機会がありました。訪れたのは5月の雨上がりの午後で、自然光が差し込むオフィスは白い壁とウッドの梁が印象的な、ここが仕事場?と思うほど心地のいい空間でした。なぜかデスクの上にレモンがいくつも転がっていたり。そして、壁に並べられた『KINFOLK』の校正紙が、その空間にしっくりと馴染んでいるのを見て、なるほど美しい雑誌はこういう空間から作られるのだな、と納得したのを覚えています。ということを、今、自分への戒めの気持ちいっぱいに編集部のデスクで書いております(笑)。
さて、話をポートランドに戻して。そのときオフィスの入口近くはショップスペースになっていて、Ouur by KINFOLKの洋服と一緒に置かれていたのが、写真のアナザーフェザーのリングです。
環を途中でひょいと折り曲げたようなデザイン。パーフェクトな円環ではないことから生まれる、軽やかな印象。金属のソフトな輝き。シンプルだけど温かみのあるリングの佇まいに、目の前の空間に通じるものを感じて、取材で来たにも関わらず思わずその場で購入して帰りました。デザイナーは『KINFOLK』の立ち上げにも携わったHannah Ferrara。素材はリサイクルメタルなので、環境のみならずお財布にも優しい。あと、私個人的に、指がむくみやすく普通の指輪だと夕方には肉がぷっくり乗っかるのが悩みなのですが、これは絶妙に肉を逃がしてくれるようで、具合がいいんです。あの時、買ってよかった!
アナザーフェザーのアクセサリーは16年春夏から日本にも上陸しています。
日々、モード修行中。メンズとレディースを行ったり来たりしています。書籍担当。どうぞよろしくお願いします。