2017.03.01

ていねいな服作りと、思いやりのある売り方

 毎シーズン新しいコレクションが発表されると、好きなブランドのルックは全部チェックします。その中で欲しいと思ったアイテムがあればiPhoneのメモに保存しておいて、店頭に並ぶ日を今か今かと心待ちにするのです。ただ残念なことに、いくら探してもどこにも見当たらない、なんてこともしばしば。というか、むしろそっちの方が多い。写真で見た憧れの人は、一生巡り会うこともなく、写真の中の人で終わってしまうわけです。そんな切ない体験をしたことが一度でもあるなら、きっとこの企画展の良さを分かってもらえるんじゃないかと思います。

 現在Graphpaperで開催中の「FITTING HOUSE by THE RERACS」では、倉橋直実さんが手がける、THE RERACSの洋服が一同に会しています。ベーシックなデザインとこだわり抜いた上質素材が人気のブランドで、数々のセレクトショップで取り扱われていますが、お目にかかるのはいつも数えるほど。ここまで充実したラインナップをまとめて見られるのはかなり貴重です。

 ここまで読んだ方は、きっとこう思うでしょう。「それってつまり、よくあるポップアップショップ、なんじゃね?」と。その答えは、はりきって「NO!」です。会場ではたっぷりと時間をかけて試着できます。でもその場で買って帰ることはできません。本当に欲しいものが見つかったら、ウェブショップで改めて注文して届けてもらう、という仕組みです。人ごみの中、大きなショッピングバッグを持ち歩かなくて済むのは地味に嬉しい。細かいことですが、そういった心遣いは丁寧な服作りにもしっかりと反映されています。

 ずっと気になっていた、定番のモッズコートを試着しました。ミリタリーライクだけど、洗練されたデザイン。細身でAラインのシルエットが適度にフェミニンです。トレンチコートのような生地の質感がスポーティになり過ぎず、それでいて撥水性もあり、アウトドアにも活躍する秀作! シンプルで飽きのこない洋服だからこそ、実際に着た時にその違いを身をもって感じることができます。ぜひこの機会に足を運んでみてください。企画展は35日(日)までの開催です。

【FITTING HOUSE by THE RERACS】 
会期:2017225() - 35()
営業時間:12:00 - 20:00   *月曜日定休
会場:Graphpaper 2F
150-0001 東京都渋谷区神宮前5-36-6 ケーリーマンション 2D

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