ずっと行きたいと思いつつ、なかなか足を運べていなかった「服飾資料館」。先日、やっと訪れることができました。「服飾資料館」とは、ユナイテッドアローズ本社8階にある日本服飾文化振興財団が運営するファッションにまつわる資料館です。収められているのは、テキスタイルサンプルから、ヴィンテージの雑誌に写真集、そしてイヴ・サンローランを中心とした貴重なヴィンテージ品。
ここを知ったきっかけは、昨年12月に催されていた展覧会「Mon YVES SAINT LAURENT」でした。披露されていたのは、イヴ・サンローランを愛する小林麻美さんが所有していたムッシュ イヴ・サンローランの手がけたアイテムの数々。それらが、現代のリアルクローズとミックスして展示されていました。その後、小林さんは所有していたそれらの貴重なピースのほぼすべてを、日本服飾文化振興財団に寄贈されたのです。私は直接この展覧会を見ることができず悔やんでいたのですが、それらの服はこちらに所蔵、そして一般公開されていることを知りました。
整ったコンディションでガラスケースに収められた、1970年~80年代初頭までの希少なピース。実際に触れ、纏うこともできます。実際に手にとってみると、その袖や襟もとの立体的なテーラリングや、繊細な刺しゅうの目までしっかりと確かめられます。時代を経ても色褪せない服の魅力を体感しました。
服のみでなく、ヴィンテージ雑誌も収蔵。こちらは『Flair』というアメリカで発行されていた雑誌です。
なんと出版されていたのは1950年の1年間のみという、幻のファッションマガジン。誌面の判型が異なっていたり、仕掛け絵本のように穴が開いていたり、ポストカードが挟まっていたり……。雑誌は自由! とその身をもって語りかけるような、アーティスティックな仕様に胸躍ります。イラストや写真もアイディアに溢れていて、モダン。大変参考になりました。1920年代の『marie claire』や、1930年代のメンズ誌『esquire』に加え、各ファッション誌の創刊号も。眺めているだけであっという間に時間が過ぎてゆきます。
最後に、大変ときめいたテキスタイルのサンプル。こちらは、なんと1881年のシルクスクリーン。当時の画家が、本業を支える糧として、副業にこういった商品のテキスタイルを手がけたそう。
ミリタリーものなどメンズのヴィンテージも豊富に揃います。これらの重要なアーカイブは、事前アポイント制で一般公開されています。ファッションを学ぶなら、一度ここを訪れて間違いありません。私も今度はよりじっくり閲覧するために再訪したいと思っています。
好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。