欲望三都物語

この年になっても一目惚れってあるんですね。と言っても恋ではなくて、お買い物の話。

最近なんだか物欲がなくて……なんて、近年弱気な発言を繰り返していたのですが、ロエベの2017S/Sコレクションを昨年の10月にウェブ上で見たときから、「こ、このバッグが欲しい!」と、突然欲望という名の電車が走り出したのでした。それ以来、東京の展示会で本物を見つけては「やっと会えたね」となり、撮影でスタイリストさんが借りてきたのを見ては「やっぱりおまえが好きだ!」となり。しつこい程にバッグへの執着を高めていました。極めつけはコレクションで出張したミラノにて。新作が入っているかも!と思いたち、空き時間にモンテナポレオーネのお店に行ってみました。身振り手振りでこのバッグの特徴を説明し、奥にあるわ、と言って店員さんが大事に持ってきてくださったところまではよかったのですが、「このバッグは最後のひとつで売約済みなんです」という無情の一言。目の前にあるのに手に入れられない、というもどかしさが愛を育ててしまったようで、「でも在庫を確認したらパリのお店にはひとつあるからキープする?」という提案にとびついてしまいました。いえ、私はパリコレクションには行かないんですけど。同僚(ものすごく忙しい先輩たち)は行きますけど……。。かくして、私の欲望はパリチームへと託され、お手間をとらせて申し訳ございませんでした!(土下座の気持ち)という言葉と(もちろん代金と)引き換えに、私のところに憧れのバッグがやってきました。

絨毯みたいなバッグは、実はスエードにプリントが施されて、毛糸のフリンジを別でフラップにつけたデザイン。地味好きなので、ほぼ毎日「気がつけば全身紺色」、みたいなスタイルなのですが、このバッグが良いスパイスに。見る度に、うれしくてにやにやしています。買ってきてくれた先輩には内緒なんですけど、やっぱり春のショッピングって楽しいですよね(小声)。

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エディターTOTOKI

ファッションと占い担当。おしゃれは我慢、ができないので、着心地重視。休みの日は、大体インテリアのことを考えています。

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