おとなのためのスヌーピー

正直なところ、そんなに詳しくないんです。スヌーピーについて。

ですが、いまだにお気に入りの”布”が手放せず、ライナスにいたく共感している4歳の娘が、スヌーピーミュージアムに行きたいと言うので、訪ねてみることにしました。

六本木駅から鳥居坂に差し掛かると、ミュージアムのロゴ入りショッピングバッグを持った女性たちとわんさかスレ違います(男性もいますが、圧倒的に女性が多い)。「そこまで詳しくない」という自らの負い目と人ごみの迫力に押しつぶされそうになりながら(笑)、ミュージアムへ向かいます。チケットの列にボーッと並んでいると、私の前に並んでいる方にスタッフが「・・・メモリアルチケットとなっております」と話す声が聞こえてきました。思いつきで当日券で入場するような私とは違い、この方は特別なチケットをちゃんと事前に買ったのだろうと感心していたところ、自分の番に。「大人一名、子供一名」と告げると、スタッフはチケットを差し出しながら「こちらについてご説明します」と。展示物に触っちゃいけないとかそういう小難しい話かと身構えていると、チケットにはおなじみの4コマ漫画が印刷されています。「こちらは本日と同じ日付のコミックを掲載したメモリアルチケットとなっております。2枚で違う内容を掲載しておりますので、お楽しみください」と。この粋なはからいだけで既にノックアウトされた私でした。

入場してすぐの部屋には、巨大なチャーリー・ブラウンとスヌーピーの壁画が。よく見ると膨大な数のコミックによる3Dのモザイク画なのです。本家のシュルツ美術館にも同じものがありますが、こちらを制作したのは日本人アーティストの 大谷芳照氏。絶好の記念撮影スポットです。撮影できる展示は多くはないので、ここを抑えておくのがよいかと。

ちなみに、今回の展示テーマは「もういちど、はじめましてスヌーピー。」。まさにスヌーピーそのものにフォーカスしたエキシビションです。ビーグルをモチーフにした子犬が二足歩行をするようになり、次第に進化。そのプロセスが、私のような「にわかファン」にも、改めてよくわかるという仕立てになっています。まさに「もういちど、はじめましてスヌーピー」。そしてその進化のたまものが、人間顔負けの妄想力です。クライマックスは、妄想が炸裂したスヌーピーによるさまざまななりすましキャラの展示で、一つ一つの描写が楽しく、時間がゆるすなら展示コミックを読み込みたい。

ですが、娘にはなかなか難しかったようです。展示してあるコミックを「読んで」とせがまれ、読んであげるのですが(ときにセリフのないコマはセリフを創作しながら)、読みながら「この面白さ、幼児にはわからないよね」と思うことがしばしば。「おもしろポイント」を解説してみたりもするのですが、やっぱりコミックのリズムで味わわないとダメなんですね。また、第一次世界大戦の撃墜王である「フライング・エース」は小さなカフェでルートビアを傾け、70年代の香りたっぷりのキャラクター、大学生のジョー・クールはサーファー兼ローラースケーターなんていうエピソードに「くすり」と笑えるのも大人だからこそ。新大統領が誕生し、今やすっかり遠い過去となってしまった20世紀の「古きよき」アメリカを、追体験できるというのも魅力でしょうか。

「もういちど、はじめまして~」は4月9日まで。4月22日からは新しい展示「ピーナッツ・ギャング・オールスターズ! ともだちを紹介してよ、スヌーピー。」がスタートします。チャーリー・ブラウンにルーシーにライナス、おなじみのギャングたちがどんなかたちで登場するのか見逃せません。予習して、もう一回行かなきゃ。

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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