2017.04.19

「KYOTOGRAPHIE 2017」で春の京都を堪能

週末に、棚からぼたもちのような仕事がありました。現在京都で開催中の写真祭「KYOTOGRAPHIE 2017」のプレスツアーに、協賛企業として参加しているシュウ ウエムラさんからご招待をいただいたのです。


Photography by TOILETPAPER: Maurizio Cattelan and Pierpaolo Ferrari.

KYOTOGRAPHIEは今年で開催5回目。今回は「LOVE」というテーマのもとに、国内外のあらゆる作家たちの作品が集結しました。日本を代表する写真家をはじめ、国内ではまだ知られていない巨匠や世界的に注目されている新進アーティストなど、それはもう多種多様。これだけの作品を同時に見られる機会なんて、国内では滅多にないことです。

ただし、この写真祭の素晴らしい点はそれだけではありません。それぞれの作品の展示会場は京都市内中心部の16ヶ所に点在しています。それも単なるギャラリーではなく、たとえば世界遺産に登録されている二条城だったり、普段は足を踏み入れることのできない名刹だったりと、会場のスケールがとにかく大きいのです! 


二条城の夜桜も楽しめる、KYOTOGRAPHIE

数々の貴重な展示と歴史的建造物を同時に見て回れるほか、極めつけは桜咲き誇る春の京都も堪能できるという贅沢さ! 仕事とは言いつつも、はっきり言って観光気分全開でした。シュウ ウエムラさん、本当にありがとうございました! スケジュールの都合上、16ヶ所すべてをまわることはできませんでしたが、そのうちのいくつかをご紹介させてください。


落掛には、荒木経惟本人が墨筆した書が飾られている

京都最古の禅寺である建仁寺の埠頭寺院、両足院に展示されているのは、現代の浮世絵師とも称される荒木経惟氏の作品で、本邦初公開となる「机上の愛」。前立腺癌と闘病中の荒木氏が自身の病室のまさに机の上で制作したシリーズです。

気に入ったオブジェや花などを恣意的に並べてフィルム撮影した作品には、アラーキーらしい過激な表現が含まれます。死を強く意識することによって、生と性ひいては愛を巧みに浮かび上がらせた迫力ある写真を前に、しばらくその場に立ちすくんでしまいました。

写真家としては致命的な効き目の失明を経験した今もなお、写真を撮り続ける荒木氏。静かながらも生命力みなぎる彼の作品は、歴史ある両足院の静謐な空間と見事に調和していました。

京都らしい風情漂う建仁寺を後にして、そこからブラブラと歩くこと約5分。

3階建てのビルの前に忽然とKYOTOGRAPHIEのポスターが現れました。中ではアート雑誌のトイレットペーパー・マガジンによるビル全体を使った壮大なインスタレーションが行われています。見てください、この圧巻のビジュアルインパクト!  

ポップでシュールなトイレットペーパーの誌面の世界観を3Dで体験できます。この場に足を踏み入れたら、どんなにクールな人だって柄に合わずはしゃいでしまうかもしれません。さらに同ビルの1階では、日本では手に入れるのが難しいオリジナルグッズも限定販売中です。

ほかにもまだまだ盛りだくさんの内容で、一日ではとうてい足りません。ここでは紹介を割愛しますが、個人的にはロバート・メイプルソープの写真展「MEMENTO MORI」にも感動しました。写真をアートとして楽しむ機会がまだまだ限られている日本で、こんなに大規模かつ国際的な写真祭が開催されるのはとても貴重。「ゴールデンウィークの予定がまだ埋まってないんですけど……」とソワソワし始めている方は、ぜひこの機会に足を運んでみてください。

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017」
会期:2017年4月15日(土)- 5月14日(日)
www.kyotographie.jp

エディターHAYASHIプロフィール画像
エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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