絶対的みどり主義

人生の岐路で心の支えになった本や映像、ことばというものが誰にでもあるのではないでしょうか。私の人生でのその一位は、伊藤みどりさんのカルガリーオリンピックのフリー演技なんです。ずっとこれが一位なんです。

速くて、高くて、弾むような伊藤選手の演技は、人生で何度観たか分かりません。今のようにYOUTUBEなんてなかったあのときのお守りだった「みどり」と書かれたビデオ。今でも大切に手元に残っていて、くじけそうになったときに何回も何回も見返しては勇気をもらっていました。バレエ音楽「パキータ」の賑やかな旋律に乗ってフィナーレを飾ったスピン中にこみ上げたガッツポーズ姿は、どんな慰めのことばよりも力がありました。大人になった今でも、その輝きは変わりません。

「伊藤みどりさんのようなトリプルアクセルが跳びたいとずっとやってきた」と先日の引退会見で語っていた浅田選手。脈々と受け継がれ、前へ前へと闘う女子フィギュアの系譜をずっと追いかけていきたいと思っています。

だから、発売中のSPUR6月号の連載「スケートは人生だ」はいつもにも増して食い入るように読みました。みどりファンの皆さん、まだのかたはぜひ。 

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エディターIGARASHI

おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。

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