夏の通勤が爽快になる北欧ミュージック

ねっとりとまとわりつくような暑さをしのぐために、夏はできるだけ爽やかで前向きな音楽を聴くようにしています(本来は陰鬱なポストパンクが好みですが)。この夏は久々にめちゃめちゃ良い!と思えるアルバムに出合ったのでご紹介させてください。今月リリースされた、Kommodeというバンドのファーストアルバム『Analog Dance Music』。

バンド名義ではこれがデビュー作ですが、主要メンバーのアイリック・ボーは知る人ぞ知るノルウェーのデュオ、Kings Of Convenienceの一人。2000年代初期に何枚かアルバムを出していて、現在もヨーロッパを中心にライブ活動は続けているようです。当時は彼らの囁くような声と良質なアコースティックサウンドに耳を傾けながら、まだ見ぬ北欧の澄んだ空に思いを馳せたものでした。相方のアーランド・オーイエはソロや別名義のプロジェクトで幅広く活動する一方(ちなみに今はなきTHE WHITEST BOY ALIVEというバンドは本当に名曲揃い!)、アイリックはここ数年沈黙を続けていました。そういった経緯もあって、今回のアルバムリリースは個人的にかなり注目度が高いのです。

ようやく本題ですが、フルアルバムには全10曲が収録されています。アイリックの透き通るような美声と清涼感漂うメロディは健在。ただしサウンドに関して言うと、Kings Of Convenience時代のようなアコースティック感は全くありません。むしろグルーヴィーでディスコティック。でもそれが土臭い方向にいくわけではなく、抜群に洗練されているんです。アルバム2曲目に収録されている'Captain of Your Sinking Ship'のMVがこちら。

キレの良いファンキーなベースラインに、ほどよい疾走感がとても気持ちいい!Kings Of Convenienceが静謐な湖畔だとしたら、Kommodeの今作はそよ風が快適なサイクリングロードといった感じでしょうか。あまりに爽快で、ここ最近の通勤時にヘビープレイしています。気になった方はぜひフルアルバムで聴いてみてください。早く来日してくれないかなぁ……。

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エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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