「スグ・ポチる・オンナ」、略してSPOが圧倒的優勢なSPUR編集部で、石橋を叩いて満足する稀有なポジションをキープしています。
アマゾンでは複数のレビューを読み込み、類似商品を比較検討し、念のためオフィシャルサイトと購入者のブログも調べたうえで、納得したらポチる。とどのつまり小心者なのですが、私のような「石橋を・叩く・オンナ」、略してITOにとって、旅先での買い物は、ちょっとタイヘン。
例えば、ITOが蚤の市で掘り出し物に出会って即お買い上げなんてことは、まず現実的ではありません。「これは本物かしら?」にはじまり、「他にいいものがあるかも?」まで、あれもこれも買う前に調べたい欲求がむくむくと肥大化して「ポチ」(この場合は、即買い)を妨げてしまうのです。
さて、前置きが長くなりましたが、そんな石橋を叩く人間も優しく迎え入れてくれるのがフィンランドのアラビアです。北欧を代表する陶器ブランドで、ヘルシンキを訪れると蚤の市やヴィンテージショップで、たくさんのアラビアの食器を目にします。旅行前、編集Tがアラビアのヴィンテージを紹介している記事を読んで、温かみのある佇まいに非常に心惹かれたものの、なにせこちらはアラビア初心者、しかもITO。短い旅行中に買って帰るなんて無理かも!?
でも、結果的にその心配は無用でした。石橋を叩く同志のみなさんには、最初にヘルシンキ郊外のイッタラ&アラビアデザインセンターにあるミュージアムを訪れることをオススメします。
1873年の創業から、年代ごとに活躍したデザイナーや作品がコンパクトに分かりやすく展示されていて、おさえるべきポイントがはっきり。ミュージアムで好きなデザインを見つけたら、次に蚤の市またはヴィンテージショップへ。フィンランドの人たちは、過去に作られたシリーズの食器も大事にリユースしていて、ミュージアムで見た古いデザインがそのまま市場に並んでいるのが素敵です。
そして、今回の釣果が冒頭の写真。巨匠カイ・フランクが生んだモダンな定番「ティーマ」、妖怪百目のような不思議な模様の「タイカ」、紅葉という名の「ルスカ」の3つのコーヒーカップ。二人暮らしなのにカップ3つと少々アンバランスですが、すっかり北欧色になった我が家のコーヒータイムに満足しています。
日々、モード修行中。メンズとレディースを行ったり来たりしています。書籍担当。どうぞよろしくお願いします。