寝室に吹きガラスの温もりを

 最近、自宅の和室の照明を新調しました。週末にふらりと立ち寄ったうつわショップの千鳥で偶然見つけて、衝動的に購入したのが写真のペンダントライト。ガラス作家の安土草多さんによる作品です。表面がボコボコとしたアンティークのような質感に見惚れていると、自分の物欲までボコボコと涌き上がってしまいました。

 少しいびつで丸みを帯びたフォルムは、無骨ながらも優しい表情。吹きガラスならではのニュアンスがあり、ひとつひとつ息を吹き込んで成形されたんだなと感じ取ることができます。天井から吊り下げると、殺風景な室内にひとしずくの温もりが差し込まれました。

 ただ、なんといっても一番のお気に入りは灯りをつけた時。ゆらゆらとした光の反射が美しく、古びた和室が幻想的なムードに一変するんです。さらに嬉しいことに、普段からこの部屋を寝室として使っているのですが、ライトを変えてからは驚くほど心地良く眠れるようになりました。

 勢いで買ったにしてはかなりの満足度ですが、ひとつだけ衝動買いのツケが回ったなと思うことがありまして……。何かというと、この灯りひとつでは夜がちょっと暗過ぎる問題。あともう2つぐらい足せばちょうどいい明るさになりそうです。おかげで就寝前に布団にくるまりながら本を読むことができなくなりました。寝付きが良くなった理由はそれかもしれないと、薄々気づき始めています。

“エディターHAYASHI”

エディターHAYASHI

生粋の丸顔。あだ名は餅。長いイヤリングと丈の長いスカートが好き。長いものに巻かれるタイプなのかもしれません。

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