2017.07.24

キルタを探して8000キロ

きっかけは、今から7年も前の30歳の誕生日のことでした。仕事のスタッフの方々が開いてくれたお誕生日会で、あるフォトグラファーから誕生日プレゼントに青いきれいな一枚のお皿をいただきました。写真下の青いのです。アラビアでカイ・フランクがデザインしたキルタシリーズのアンティークで、「アンティークのお皿をプレゼントするなんておしゃれ!」とその贈ってくれた方のセンスに感心したのも良い思い出です。

もらった直後はきれいな色のお皿だな~、とその姿に見とれるばかりだったのですが、実際に使ってみてその使い勝手の良さに驚きました。鮮やかなブルーは真っ赤なプラムなどフルーツを盛ってもサマになるし、肉じゃがなど茶色い和食を盛ってもちょうど良いサイズ感で美味しそう。用の美とはまさにこのこと!と愛着は増すばかりで、だんだんとこのお皿が一枚しかないのが物足りなくなり、買い足しをしたくなりました。しかし、相手はアンティーク。出会いがすべてです。ちょうどこの夏休みにアラビアの本場、ヘルシンキにヴィンテージショップめぐりをしに行こうと思っていたので、このキルタのお皿を全力で探す!と目標をたてました。その戦利品が上のグリーンとブラウンの2枚です。

蚤の市のように雑多なセカンドハンドショップでブラウンを、最終日の最後に駆け込んだアンティーク食器のお店でグリーンを手に入れました。本当は蚤の市でブラックも見つけたんですが、傷だらけでコンディションが良くなかったので今回は見送ることに。新しいデザインのものをまとめて買って統一されたテーブルコーディネートを楽しむのも素敵ですが、こうやって本当に良さを実感したものを一枚ずつ集めてテーブルのアクセントを増やすのも楽しいものだなと、年をとったなりのお皿とのつきあい方を考えさせられました。このキルタをきっかけにアラビアのそのほかのアンティークにも興味を惹かれていろいろ調べているうちに、この7年間で(もちろん今回の旅でも)ずいぶんアンティークのアラビアのお皿が増えました。青いキルタを見ると、30代の私の世界を広げてくれた一枚に、いつもちょっとした運命を感じています。

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エディターTOTOKI

ファッションと占い担当。おしゃれは我慢、ができないので、着心地重視。休みの日は、大体インテリアのことを考えています。