パリコレクション取材から戻りました。デザイナー交代の余波やら、昨今の#MeToo運動やサステイナビリティへの取り組みなど、いろんなブランドの動向に触れ、最終的に私の心に残ったものは「変わらないことの強さ、美しさ」でした。
その筆頭が、A.P.C.です。ど田舎での高校時代、初めて通販をしたのがA.P.C.のシューズ。それからアントワープ系やNY系、DC系、ストリート系などさまざまなムーブメントに乗っかっては、熱が冷めると必ずA.P.C.に戻る自分がいます。まるで大航海を経て戻ってくる港のような存在です。いつ覗いても、そこにはジャン・トゥイトゥの変わらぬフレンチベーシックがあるという安心感。
‘18ー’19年秋冬のコレクションにはパンツルックがなく、ドレスとスカートのみの提案がとても可愛いです。変わらないのに今っぽい、そのさじ加減に胸がきゅんとなりました。帰国後早速取り出したのが、2011年に買ったこちらのペンダント。シェルモチーフのチャームはヴィンテージっぽいけど新しさも感じられ、突飛なデザインではないけど、確かな個性がちゃんとある。この絶妙なバランスがブランドの真髄だなと改めて惚れぼれしています。みなさんにも、そんな港ブランドありますか?
エディターKINUGASA
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。