これだけ世の中にマニキュアがあふれている中で、ピンとくるカラーって実はなかなかないもの。色自体かわいくても、塗ってみるとパヤッと能天気そうに見えたり、落ち着いた色みは逆にコンサバに見えたり。マニキュアは、実は髪型と同じくらい女性像の決定に影響を及ぼすものなので、慎重に色を選ぶ必要がありそうです。そんななか久々にヒットしたのがこちら。シャネルの612番、その名もシックネス(粋)。
ひと塗りで「この人、ちゃんとわかってるな」という説得力を醸し出す、絶妙なカラーなんです。グレーとピンクの中間ともいえるし、ブラウンとピンクのミックスともいえる。一番近い表現があるとしたら、「あずきミルク」――乳白色をひとさじ加えたあずき色、というのがしっくりきます。アジア人の黄み肌とけんかせず、落ち着いた大人の、知性ある手もとにみせてくれるのです。もっと言うと、頭が良さそうな人の手に見える。そんなことを考えてマニキュアを選ぶこと自体は到底知性ある行為とは言えませんが、でもきっと塗ったらわかってもらえると思います。やっぱりルチア・ピカの色出しは天下一品!であります。
エディターITAGAKI
ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。