2018.05.21

花の中に咲かせる華リップ

春になると赤リップを脱ぎたくなるのは私だけでしょうか? 淡い服が多くなり、光も強くなるからでしょうか。リップだけが悪目立ちして肌のくすみが際立つようで、避けていました。ですがこちらは話が別です。

先週の金曜日を心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか。NARS×ERDEMの限定コスメティックス。私もその一人です。このご時世、コラボは無数あれど、NARSのそれほど「相乗効果」というものを具現化しているプロジェクトを知りません!

選んだのはリップスティックの9409、ダークチェリーレッド。ただただ「この色、可愛い♥」という本能でつかみ取りました(久々にハートマークを使いたくなる高揚感)! コレクションに「Strange Flowers」という名を冠していますが、危険な毒を潜ませながら誘うように真っ赤な花を咲かせる……そんなイメージを抱かせるシェード。食虫植物に吸い込まれる虫のように、私もまんまと引き寄せられました。

ERDEMといえば私、2月にロンドンでショーを拝見したのでした! 20年代にショービジネスの華として知られたアデル・アステアから着想を得たコレクション。ちなみに彼女はあのフレッド・アステアの姉です。弟に負けないくらい人気者でありながら、惜しまれつつ英国貴族と結婚するために引退。そんな彼女の秘めた情熱を感じさせるショーでした。今回の限定品と直接関係があるわけではありませんが、リンクするところが……。

photography:Jonas Gustavsson

というところで思い出したのが、会場でお見かけした鈴木えみさんのお姿。咲き誇るフラワーに砂糖菓子のような甘いリップではなく意志のある赤いくちびる! 花にも負けないパッション! この感じ、初夏の花柄ドレスにも応用できる! なんてひとり妄想を膨らませています。

だけど春夏の赤リップは鬼門じゃなかったの? と思う方もいらっしゃいますよね。実際つけてみたら、これが見事に覆されました! 鮮やかでありながら唇の延長のようにも思えるカラーシェード。まさに「血」を思わせる要素があるのです。というと怖く聞こえますが、くすみ肌とけんかせず、文字通り血色のいい”おしゃれ顔”にぎゅいーんと引き上げてくれますよ。

ちなみに明後日発売のSPUR7月号では、2018-'19秋冬のランウェイトレンドを独自の目線でリポートしています。大きな潮流はもちろん明日のおしゃれに生かせる小さなTIPSまで詰め込み、インスピレーションに溢れる企画になっています。こちらもぜひ!

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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