時は2000年代初頭。ベスト映画は『トレインスポッティング』('96)であり、“ミニシアター系カルチャー映画以外、認めない!”と鼻息荒くいきがっていた私です。でも、ホントは『クルーレス』('95)にときめいて、『エンパイア・レコード』('95)のビデオを擦り切れるまで見て、『キューティ・ブロンド』('01)の主人公エル・ウッズに憧れていました。そんな時、「学園映画最高!」「ガールズ・ムービー万歳!」とプラカードを掲げて啓蒙してくれたのが山崎まどか先生であります! 好きって言っていいんだよと背中を押され、格好つけるのをやめました。
『オードリーとフランソワーズ』『ブック・イン・ピンク』『女子映画スタイル』この3冊は私を(男)カルチャー至上主義から解放してくれたバイブル。誰かに貸すことも多く、それぞれ3回ほど買い直しています。『乙女日和』『ハイスクールU.S.A.』(長谷川町蔵さんとの共著)『イノセント・ガールズ』『女子とニューヨーク』『「自分」整理術』『オリーブ少女ライフ』などなど。まどか先生の本には、これまで見過ごされがちだった“おんなもの”に新たな文化的価値を生むすごさがありました。もはや、自分のことを“まどかチルドレン”と自称しているほど、影響を受けています。
そんな(勝手に)我が師匠、山崎まどか先生のコラムニストデビュー20周年を記念した14年ぶりの書評集が発売されます! やったーーー!
「ハウツー本流行りの中、まったく役に立たない読書のすすめである」と、先生おっしゃっていましたが、役立たないことの贅沢さったら最高です。「ロリータの靴下」で幕開けするエッセイ集。この始まり、マジ痺れる。読後すぐにボビー・ソックスが履きたくなるはず!
さあみなさん、この夏は、優雅な読書で最高の復讐をしましょう。
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。