初めて持ったブランドバッグは、グッチでした。当時バンブーバッグが非常に流行っておりまして、大学生だった私は、GGロゴがあしらわれたバンブーバッグを手にすることで、ついに憧れのブランドバッグデビューを果たしたのです。高校生のころ、田舎で見ていたトレンディードラマに出てくる、キラキラと輝くトーキョーの大学生像にかなり影響を受けまくっていたと思われます。周りの同級生もグッチ、プラダ、ヴィトンなどのバッグを一生懸命アルバイト代をためるなどして、それぞれに手にしていた時代でもありました。けれど当時、かなり背伸びして持っていたこともあって、もったいなくてここぞ、というとき以外なかなか使えなかった。今から思うともっとガンガン使っておけばよかった、とも思います。
あれからうん十年という月日が流れ、ミラノコレクションでグッチのショーをリアルタイムで目撃し、さらにファションウィーク真っ只中の、あの独特な熱気を帯びたミラノのグッチのショップに行ってみて、改めてGGロゴのバッグが、急激に欲しくなってしまいました。あの頃、とびきり輝いていたロゴはいまでもしっかりと胸に刻みこまれていて、条件反射的にロゴ熱が再燃したのかもしれません。
手にしたものはウェブストライプと組み合わせられた、クラシックなバージョン。私はビッグな身長にあわせてバッグもビッグサイズのものを選びがちなのですが、ここはあえての小さいバッグ。けれど必要なもの(スマホ、財布、手帳など)はちゃんと入る機能的なサイズです。
ブランドロゴのわかりやすさに対する好き嫌いって、正直あると思います。だけどロゴものをものすごく素敵に持てたら、それはかっこいい大人になれた証、のような気がしているので日々精進しております。
思えば初めてGGロゴのバッグを手にした大学生の私は、まさか自分がグッチのショーを取材するような仕事をしているなんて露とも思っておらず、人生の展開の不思議さに、思わず遠い目をして物思いにふけってしまいます。
エターナルなロゴって、持つ人のさまざま人生のシーンにときに交わり、ときに離れたりしながら寄り添ってくれるものなのだなあ、と改めて思います。そして若かりし日の憧れとの出会いの記憶は、大人になってもキラキラしたときめきを連れてきてくれる!そう確信したのでした。
主に美容担当。山登りなど自然に触れることが好き。最近は健康とかインナービューティとかいう言葉にめっぽう弱くなりました。