財布のヒモは常にユルッユル、軽々しく散財を繰り返すタイプの人間ですが、さすがに今回の買い物は悩みに悩みました。2018年上半期でいちばん大きな買い物だったと思います。「この私が、テーブルをオーダーする日が来るなんて……」。注文してから2か月弱、先週末に納品されたその姿を見て、思わず感慨にふけってしまいました。
もともと使っていたのは、大きな円形のダイニングテーブル。一人暮らしの頃から愛用していたものだったのですが、これがとにかく今の家では使いづらかった。部屋の細長いダイニングスペースに置くと、周囲に余白がなくてギッチギチに。後ろを通りづらい→椅子に座りづらい→食事もとりづらい、というわけで、テーブルは見事に新聞や郵便やバッグやおもちゃなどを置く荷物置きと化していたのでした。
仕事柄、おしゃれなお宅や仕事場にお邪魔する機会は割とあるのですが、いつも興奮してしまうのが、「素敵なテーブルのある部屋」です。特にある料理家さんの、ぐんと長くて、その割に奥行きは少し短い、細長いフォルムの木のテーブルがとてもいいなあと思っており。あれ……待てよ。あのぐらいの奥行きのテーブルなら、我が家の狭いダイニングスペースにも入るのかしら。このまま「大型の物置き」になるよりは、テーブルを新調して、スペースをきちんと使った方がいいんじゃないかしら。引っ越しの予定は当分ないし……欲望と言い訳がカチッとはまってしまった瞬間でした。「そうだ、新しいテーブルを買おう!」
まずはいろいろ市販のテーブルをリサーチしたのですが、私の希望する「奥行き70センチ」というものが既製品にはなかなかない。せっかく買うなら木の素材にもこだわりたいし、もうこうなったらオーダーする方が早いな、とさらにリサーチ。いろいろ見比べて決めたのが御徒町に店舗兼工房を構える「WOODWORK」さんです。
選んだのは「ALTERNATIVE TABLE」。木材に金属パーツの組み合わせは、将来生活環境が変化した時に、木部パーツのサイズを変えることで長く使い続けることが可能だそう。金属を使用しているからこその、ボリュームを抑えた細いデザインの脚が気に入ってこちらに決めました。天板は節ありのナラ材を選択。「小さめの節をバランスよく入れてほしい」というオーダーにも応えてくれました。
搬入・組み立てには実際に工房でテーブルを製作してくれた職人さんがいらっしゃり、木材のケアの方法など丁寧にいろいろと教えてくださいました。実際に作った方の顔を見られるというのも安心感があり、なんだか嬉しい(製作風景の見学もできるそうですよ)。かくして我が家にやってきたテーブル、朝起きてリビングに入るたびに「ああ……なんて素敵なの……」とニヤニヤしております。これからたくさんの思い出を一緒に作っていきたいです(そして荷物置きになるのだけは避けたい)!
ミニマリストに憧れながらも、己の物欲と食欲から逃れられません。好物は生ビールと生牡蠣と生肉、そして大きなイヤリング。