2018.07.17

まだ見ぬ日本は、美しい

鳥取の山奥育ちです。田舎が嫌で、嫌で、早く上京したかった。刺激に溢れた都会生活を駆け抜け、ふと気がつくと、東京での生活の方が長くなってきました。あれだけ嫌だった故郷ですが、稲穂が揺れる風景や、燃えるように鳴くカエルの声、タバコ小屋のニオイや軒先のツララなど、思い返せばなんと豊かな場所だったのかと身に染みるようになりました。

熊本県 崩落前に撮影された天空の道
熊本県 崩落前に撮影された天空の道

14日から公開している映画『ピース・ニッポン』はご覧になりましたか? 日本全国津々浦々、8年間もかけて200か所以上で撮影された映像を紡いだ作品なんですが、とてもとても美しいんです。神道と仏教が交わって形作られた日本人の精神から始まり、豊かな気候風土が生み出す四季、そして南から北へと巡る絶景の数々が映し出されます。その中には、自然災害で崩れてしまい、今では見ることのできない風景もあります。自然とともに生きていることを実感し、いつでもあると思っていた景色も、一期一会なんだと胸を打ちます。

鳥取が誇る「三徳山三佛寺 投入堂」の空撮は圧巻ですよ。下から望遠鏡でしかみたことのなかった場所。まるで自分が鳥になって、覗きに行ったような感覚になりました。みなさんのふるさとの絶景も収められているはずです。ぜひ映画館でご覧ください。

ちなみに、日本の素敵な場所を海外の方に説明するのにも、ぴったりな作品です。

『ピース・ニッポン』
監督/中野裕之 ナビゲーター/小泉今日子 東出昌大
©2018 PEACE NIPPON PROJECT LLC

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エディターKINUGASAプロフィール画像
エディターKINUGASA

顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。

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