毎日時間に追われています。現代人は皆そうだと思いますが、でもボヤきたい。
5分でも惜しい生活なのだから、時刻を正確に知るすなわち時計がしっかり働いてくれるのが大前提。なんですが、目覚ましが時間通りに鳴ったり、モダンすぎるルックスでキッチリ時を刻まれると、何だか心がヒリヒリする。
バカバカしいかもしれませんが、というわけでテーブルクロックはどこか愛嬌がないとダメなんです。以前はリサ・ラーソンの陶器のを使っていたのですが壊れてしまいました。以来しばらく空席だったところにこのステーションクロックがやって来たのです。
いわずと知れたデンマークの巨匠、アルネ・ヤコブセンのデザインをローゼンダール社が復刻。ライトグレーとマットなイエローゴールドの配色が絶妙で、飽きが来ずじわじわと愛が増していきます。かなり特徴あるデザインですが、北欧系でも何でもない雑然とした我が部屋にもしっくり馴染んでくれる。かつ、くっきりとしたアラビアインデックスで視認性は抜群。かんじんの時刻はバーンと目に入ってきます。
何より、厳しい現実(大げさですが)を突きつけられても、このフォルムのせいか和むんですね。物腰柔らかだけど「●時●分だよ、あと●分で歯磨きもトイレも済ませて家を出てね」と言うべきことは言ってくれる。擬人化するとそんな感じ。
私のアンビバレントな気持ちを巨匠は知ったこっちゃないと思いますが、偉大なデザインのちからは、毎朝ヒリつく気持ちをまあるく収めてくれます。
ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。