31歳目前。ハートのペンダントを堂々とつける

40代のロックTが痛いとか、ミニスカートは20代までだとか。そういう年齢の呪縛で圧力をかける特集は、なるべく読みたくないし、作りたくない、と気を引き締める昨今です。周囲と違っていようが、誰も賛同する人がいまいが、自分が好きと思えるものを堂々と着ることが一番尊い。(TPOを踏まえた上で)その気持ちを阻む権利は誰にもないんです。

そういう心持ちにさせてくれたのが、スティーブン・アランで最近買ったこのハートのペンダント。ハートのこそばゆさっていうのは確かにあって、「ハート=可愛い=若い」みたいな定説が一瞬脳裏をよぎりましたが、試着してみて、そんなものは吹き飛びました。硬質なシルバーが生み出すモダンな佇まいは、むしろ顔まわりにソリッドな強さを添えます。とはいえソフィー・ブハイが得意とするところの、ぷっくりとした丸みがあるから、なんだか優しい印象。あー、好きだなぁ! これはでも、20代では欲しいと思わなかったのかもしれない。30を超えた今の方が自分の内面の成熟とのコントラストで、甘くなりすぎずにつけこなせる気がする。そう思うと歳をとることすら前向きに思えてきます。

家に帰って鏡の前に立ってこのペンダントを首元につけた瞬間、思わず笑みがこぼれる。そうそう、ファッションってこういうものでないと。もちろん「着る人を厳密に精査し、選ぶ服」というのは確かにあります。そして、センスを磨くというのは、狭い正解を鋭く光らせて他をどんどん削ぎ落としていく行為かもしれません。それはそれで重要なのですが、ファッションが与えてくれる何にも縛られない自由さと、計り知れないポジティブな気持ちはいつまでも大切にしたいと思います。

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エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。

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