焼き鯖とうどんに逢いたくて、高松

GWに高松を訪れるということで、美味しいうどん三昧だろうという目論見がありましたが、甘かった! いつでもサクッと食べられるなんてものじゃなく、名店は開店と同時に客が入り、昼前にはことごとく店を閉めるという実態を知らなかったのです! 調べが甘~い! 車ではるばる、しかも午前中にたどりついたというのにもう閉店、早ッ! という憂き目に何度もあいました……。

そんなとき、地元の方に通しで営業している「うどん本陣 山田家」を教えていただいたのです! 11時半くらいに車で訪れたのですが、すでに駐車するのもやっとという混み具合。立派なかまえの門をくぐるとだだっ広い中庭のあちこちに人、人、人が溢れんばかり。受付がわかりやすくあるので、名簿に名前を記入。エントリーナンバー60番台ということで、いつうどんにありつけるのだ、と不安になるも、お店のお兄さんたちのキビキビした動きに説得力があり、「待ってりゃ大丈夫」という安心感を与えてくれるんです。それはこんな具合……一人の男性が名簿を片手に、ハッキリとした声で順番に名前を読み上げていきます。すると別館もある大きな店舗のどこに行けばいいのか、左右に配された男性スタッフが「こっち! こっちです!」と旗を振って案内してくれるんです。DJポリスならぬDJ UDONとでも呼びたい見事な”交通整理”、ときどき給仕さんが中庭を突っ切って別棟に向かうときにも「はい、おうどん通ります」としっかり掛け声がなされ、あまりにも手馴れていて気持ちいい。さらに中庭や店舗であるお屋敷の縁側など座るところがあちこち設けられていてなごめ、ただの突っ立ち行列ではないのでなんとか待てました。

というわけで60番台で1時間くらいたってやっと呼ばれましたかね。

重要文化財に指定されたお屋敷は、もと造り酒屋だそうで。カオスな待合所(笑)に比して、なかはすっかりくつろぎムードというのもおすすめポイントです。

「焼鯖寿し定食」。うどんに天ぷらに焼き鯖寿しという文字通りオイシイ取り合わせです。

一見ふわっとやわらかそうですが、噛むとモチモチです。

立派な庭の一角。

うどんは純粋に「ざるぶっかけ」や「釜ぶっかけ」を頼むべきだったのかもしれませんが、お腹がすきすぎて、そして「焼鯖寿し」があまりにも気になって、「焼鯖寿し定食」をオーダー。焼鯖寿しにてんぷらにわかめうどん(もしくはざるうどんが選べる)のセットです。香ばしく焼き上げた鯖はかめばかむほど旨味が出て、生姜やシソが入った清涼感ある寿し飯と絶妙なハーモニー! かんじんのうどんはというと、大げさではなく口から飛び出さんばかりの弾力……非常に力強さを感じました。透き通る出汁は旨み→甘さ→ほんのり塩気の三波が口にするたびにやさしく押し寄せて、最後まで飲み干してしまうくらい。天ぷらだって、こんなに軽やかに揚がるものだろうか。噛み心地は「サックサク」どころか、ここにスタッカートをつけねば表現し足りない!

広大な敷地に満ち満ちるお店の方々のエネルギーと、しっとり落ち着く家屋、安定のうまさのうどんと三位一体で、これぞ正しい商売繁盛のかたちと納得。帰途、店舗に至るまでの道のりに“UDON渋滞”が2キロほどできていました!

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エディターNAMIKI

ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。

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