花畑で夢を見る

花畑が好きです。どこまでも続いていくかのように咲き誇る光景は、夢の中を想起させます。なかなか野生の花畑を日本で見るのは難しいけれど、きちんと人の手をかけて大切に育てられた、大きな公園の花畑もいいものです。特におすすめは、埼玉県は滑川町にある、国営武蔵丘陵森林公園。なんと東京ドーム65個分というとんでもなく広大な面積に、四季折々さまざまな花が咲き乱れます。歩いて回るのはとうてい不可能なので、園内で自転車をレンタルしてサイクリングするのがおすすめです。
まるで宝石のように色鮮やかな花が目に飛び込んできて、甘い香りが鼻腔をくすぐり、花の群れが醸し出す独特の気配にふわっと包まれる、あの感覚。花の種にはそれぞれパーソナリティとストーリーがあると勝手に思っていて、花畑を眺めるという行為は、それらが紡ぐ物語に入れていただく、という感覚です。たとえばユリは清楚だが凛とした強さがあって、アジサイは可憐だけれどつかみどころがないし、ポピーはおてんばで、陽気な音楽が聞こえてくる、というように。自分でひとつひとつの内面性を想像して、その空間にお邪魔する。花畑が持つゆめゆめしさってそういうところにあると思っています。もちろん当の花は、私が勝手に妄想を掻き立てられているともつゆ知らず、ただただ力いっぱい咲くだけ。
そんなふうにして、日常で夢を見せてくれるのが国営武蔵丘陵森林公園の花畑。今日はこの時期に咲く花を紹介していきたいと思います。

まずは現在見ごろをむかえているアジサイ。雨に色がついていたら、こんな感じなんだろうなと思わせる、じんわりにじんだグラデーションが美しいですね。

続いて紫に染め上げられたキキョウ。ちょっと大人のお姉さんといった佇まい。野草コースにあり、こちらも現在見ごろをむかえています。

また、ぜひともこれめがけて足を運んでいただきたいのは、堂々と咲くヤマユリ。こちらは7月の中旬が見ごろです。惹きこまれてしまいそうな魔力を持つ花ですね。


最後に紹介するのはこちらも7月中旬から見ごろを迎えるペチュニア。愛らしいピンク色が広がる様子に、指先までときめきます。ピンク色の服を着て写真を撮ってみるのも楽しいかも。

日常で味わえる至福のファンタジーを感じに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。

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