OAMCの魔力に取りつかれています

本当にかっこいいですよね、OAMC。現在ジル・サンダーのクリエイティブ・ディレクターでもあるデザイナーのルーク・メイヤーのセンス、誰もかれもが注目していると思うんです。たとえば19年秋冬にOAMCのランウェイに現れたねじりハチマキみたいな(言い方)スカーフをネックレスとして飾るスタイリング、次の20年春夏に結構ほかのブランドで見かけました。今、インスパイアリングなデザイナーなんだなぁと実感。特段奇抜だったり新しいことをしているわけではないのに、なんだか妙にフレッシュで、心に残るデザイン。そして全体で見たときの、狂おしいほどのかっこよさ。これほどまでに、ただただ洗練されたデザインを生み出し続ける能力って本当に稀有だと思います。
先日こちらのニットをエディション表参道店で見かけて、ひとめぼれしてしまいました。


モヘア混ウールのふわっとした肌触りのニット。グリーンやイエロー、オレンジといったカラーでむら染められていて、レーザーが飛び交っているなかに、炎が燃えているような不思議なプリントがほどこされています。1枚にSF的な物語の広がりを感じます。しかもスウェットじゃなくて、ロンTでもなくて、モヘアニットっていうところがやばいんです。気になって試着してみたところ、シルエットがこれまた素晴らしい。肩から自然に落ちて、ウエストはお尻あたりでほどよく止まる。わりと派手な柄だけど、エフォートレスだからなぜだかシックになじむんです。「ああ~天才」と思わずつぶやきました。ショップスタッフのお姉さんも、「かっこいいですよね。女性がOAMCを着ているの、とても好きなんです」と一言。気持ちは昂りましたが即決できるお値段ではなかったので、この欲望をひとまず寝かせてみることにしました。
そして2週間ほどこの情熱の火がおさまるのを待ってみたものの、やっぱりあのニットのことが寝ても覚めても頭から離れない。それどころかどんどん思いは募るばかり。もしかしたら売り切れているかもしれないけれど、とりあえずもう一度見てみようとエディションに再入店してニットを探すと、あった……! すると前回と同じお姉さんが声をかけてくれました。「あ!この前試着されましたよね?とてもお似合いだったので、お姉さんのこと覚えてます」と。この気持ちの良い接客に感動し、その時点で購入を決意しました。心地よい接客は時として勇気ある買い物の背中を押してくれます。きっと9月もまだまだ暑そうなので、袖を通すのは先ですが、今からわくわくが止まりません。

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エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。

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