高校1年の夏休み明けだったと思います。当時EAT(イングリッシュ・アシスタント・ティーチャー)として鳥取に来ていた英国人の先生が職員室で目頭を押さえていたんです。おもわず、「大丈夫ですか?」と声をかけたら「プリンセス・ダイアナが亡くなったのぉぉぉぉ」と。極東の辺鄙な土地で、20代の英国女性が泣いている。その光景は強烈に記憶に残り、俄然、英国ロイヤル・ファミリーに興味を持ちました。
というわけで、Netflixで一番好きなドラマ『ザ・クラウン』のシーズン3が始まりました!
正直、S1、S2において、エリザベス女王役のクレア・フォイとフィリップ殿下役のマット・スミスの相性が素晴らしすぎて(脇を固めるヴァネッサ・カーヴィーも!)、キャストが入れ替わるS3に不安を抱いておりました。
しかし、エピソード1の冒頭を見て、製作陣に全力で謝りたい気持ちに。クレア・フォイが演じたエリザベス女王の面影を残したまま、オリヴィア・コールマンが成熟した女王をごく自然に演じていたんです。さすがオスカー女優‼ 直近作『女王陛下のお気に入り』のちょっとエキセントリックなアン王女役が記憶に新しいですが、まったくの別人! とくに、しゃべり方、表情の作り方に痺れます。さらに、フィリップ役のトビアス・メンジーズとのカップリングもときめきますし、ヘレナ・ボナム=カーターのマーガレット王女も最高すぎる。
才能あふれるベテラン俳優たちの演技を隅々まで堪能する楽しさもありますが、え!そうだったの⁉という驚きのロイヤル・ファミリーネタを仕込んでくる脚本こそ『ザ・クラウン』の真骨頂。エピソード1では王室の美術顧問が実は××だったというショッキングな事件がメイン。マーガレット王女とジョンソン米大統領に共通する心のうちや、エリザベス女王がずっと後悔している出来事など、3話まで見ましたが、どれも神回! 今後はあのダイアナが登場するとのことで、今からドキドキしています(本家はいま、アンドリュー王子のスキャンダルで、それどころじゃないかもしれませんが……)。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』はビンジウォッチングですが、『ザ・クラウン』は1話ごと、噛みしめたい。今晩は4話を見るぞー!
『ザ・クラウン』シーズン3 予告編
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。