2019年も残すところ数時間となりました。思い返せば、年末年始のリスボン旅行でのロストバゲージから幕開けした一年でした(そして行方不明のまま……)。中にはお気に入りのアイテムが詰まっていて、本当に悲しい気持ちでいっぱいに。ただ、別れがあれば、出合いもあるのが人生。2019年のお買い物を総決算し、本当に買ってよかったアイテムをご紹介します。ジャジャジャジャーン! それがこちら、プラダの「モノリスレザー ダービーシューズ」です。
2019-20年秋冬コレクションはダークでゴシックなものでした。そのときのミウッチャ・プラダ様の格言が「ダークロマンスは現実を生きるための解毒剤」というもの。なんか、すごいわかる!!!と、あらためてミウッチャ様に心酔しました。コサージュを絡めた洋服ももちろん素敵なのですが、足もとを引き締めるこの靴が、すべてのバランスを采配している指揮官だと直感。そしてそれは、間違っていなかったのです。
グッドガール的台形スカートをはいても、バットシェバのようなプレーリードレスをまとっても、写真のようにベロアのパンツをはいても、もちろんデニムパンツを合わせても、本当になんにでも合う!! それだけでなく、瞬時に“足もと重め”な旬バランスを演出してくれるのです。だったら、ダッドスニーカーやワークブーツでもいいじゃない?って話ですが、プラダがすごいのは、伝統的な紳士靴をベースにしているので、品格が保てるというところ。一昔前の、単なるカジュアルダウンではないのです。
愛しのアイテムをなくしてしまった悲しみから始まった2019年、本当にいろんなことがありましたが、プラダの靴と出合えた幸せをかみ締めたい。そして、2020年はもっともっと幸せな「物」語りを皆様に伝えられるように精進したいと思います。それでは、良いお年を!
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。