この秋冬は、ちょっと厚めのソールのショートブーツを愛用してきました。とにかく歩きやすくて楽だし、末端が今年っぽくなる気がする、という理由です。タフなレザーなのでちょっと雨が降ってきた日も大丈夫(この冬はお天気不安定でしたよね)だし、スニーカーよりちゃんとして見えるというのも便利な点。が、秋口からそうやって気に入ってがんがんはいていたら、年明けしばらくして急に「なんか飽きたな……」と、ふと我に返るような瞬間が訪れました。たぶん履きすぎたんだと思います。で、たまたま春モノの入荷連絡があったドリス ヴァン ノッテンで新作を見ていたら、普段は服に夢中で立ち上がりにじっくり見ることのないシューズコーナーに目が吸い寄せられました。そして出会ったのがこのローファー。
ひと月前までだったらまったく素通りしているような、シンプル(あえていうならちょっと地味)なクロコダイルの型押しレザーのローファーです。細身で甲も薄く、先もしゅっとしている、最近愛用していたシューズと真逆のこのデザイン。その新鮮さにふと「いいかもしれない」と思いたって試着させていただいたら、本当に良かったのです。レザーが硬すぎないので履き心地の良さが第一印象のポイントとして高かったのですが、なんといってもこの全体的にマニッシュだけど華奢なシルエット。これまでならワイドパンツにちょっとごつい厚底ブーツ、という組み合わせをしていたところ、同じパンツでも足元がしゅっとするだけでなんだかエレガントになるんです。
新しい季節になると、あれもこれもと欲しくなりますが、お財布事情との兼ね合いで、究極はどこかワンポイントでものすごく気分を変えてくれるもの、というのを求めていたりします。なかなか出会えなくて、迷走してしまうことも多々ありますが。でもまさに今回のドリスのローファーがその理想を叶えてくれた一足に。まだ寒いので服はそんなに様変わりしないですが、靴を変えるだけでちょっとウキウキした気分になるから不思議です。お買い物って楽しいですね!、と久しぶりにモードの力を実感した出会いでした。
ファッションと占い担当。おしゃれは我慢、ができないので、着心地重視。休みの日は、大体インテリアのことを考えています。