MAN-TLEのジャンプスーツは365日服

やっと、理想のジャンプスーツに出合えました。それが「MAN-TLE」の1着です。ドーバーストリート マーケット ギンザで働いていた同僚のラーズ・ハリー氏とアイダ・キム氏が2016年にスタートした、オーストラリアのブランドです。8シーズン目となる前回の2020年春夏、つまり半年ほど前に、はじめて東京で開催された展示会に足を運んだんです。シャツやブルゾンなどのアイテムは、オーストラリア西海岸のパースを拠点に、浜松をはじめとした日本の工場と行き来をしながら製作されています。ラックに掛かった服から私が目を奪われたのが、こちらのジャンプスーツ。

ほどよいハリと手触りが心地よい綿麻シャンブレー素材に、ストンと落ちたシルエット。ユニセックスな佇まいに一目惚れして「試着させてもらっていいですか?」と前のめり。一見ちょっとサイズが大きいかも?という気がしても、身体を通すと想像以上にしっくりなじむんです。身体と服の間に快適な余白があるというか。“大きくても、着られてない”絶妙なサイジングにひとり感涙しました。真夏でも涼やかに、真冬にも軽すぎないオールシーズン活躍できる生地感もツボ。どこか日本のねずみ色を思わせる、落ち着いたグレーカラーを選びました。極めつけに気に入ったポイントは、ボタンの設計。基本は生地にそのまま縫い付けるのが基本だと思いますが「MAN-TLE」の服は一味違う。ミリタリーのテクニックを駆使して、ボタンを通した丈夫なテープ(なんとシートベルトの素材です!)をセットしているんです。着脱を繰り返すうちに糸が緩みボタンが取れないよう、着用者のことを考えられた仕組みにもグッときました。細部にまでくまなく目を配る美意識って素晴らしい……!

さて、そんな“ファースト・オーダー”から数ヶ月が経過した2月、やっと念願の品が手もとに。もちろん今、大・大活躍中です。まだ肌寒い今は、レースのブラウスやジャージトップスを下に仕込みつつ。何より、さっと着るだけでスタイリングが完成することの嬉しさに、つい手が伸びてしまいます。実はこちらが届く数日前に、次の秋冬シーズンの展示会があったんですが、それがまた素敵だったんですよ……。このブランドの服をまとうと、自然と「用の美」というワードが脳裏に浮かびます。プロダクト的でありながら、立体的なフォルムや色選びにはモードな視点が感じられる。365日を併走したい服と出合えて、幸せです。

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エディターSAKURABA

好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。

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