ファッションからカルチャーへ

ステイホーム初期から現在での変化を考えてみると、ここ最近は、誰かをサポートする視点でものを選ぶようになりました。

5月の連休までは、ひたすら居住空間を整えるアイテムばかりに手を出していたのですが、ふと、自分が好きなアーティストを支援できているのだろうか?と疑問に思ったんです。そこで、とある写真集をポチりました。

セルビア出身、現在はNYを拠点にするマルチアーティスト、ANA KRAŠ の『Ikebana Albums』です。

Maryam Nassir ZadehやGanniなどのヴィジュアル撮影をするだけでなく、itブランドのランウェイにモデルとして華を添えるAna。さらに、インテリアデザイナーとしての顔も持ち、HAYとのコラボレーションランプを制作(こちらも欲しい!)。幅広く活動する彼女が、ただのスラッシャーではないということが、この一冊に凝縮されているのですが、その一部を少しだけお見せしますね。

10年間で撮り溜めたドキュメンタリーチックな内容で、なかにはブランドのヴィジュアルを担当しているだけに、ファッション的なアプローチのページも。デニムのセットアップで、いかついバイクにまたがった被写体のエレガントさといったら....!

ストリートの感覚をもちながら、品格を保つスタイルに落とし込む。自身のインスタグラムの投稿でも垣間見れる、着こなしのセンスにも通じる作風が素敵です。

そして、過去のボーイフレンドの横顔も。写真右はBlood OrangeのDav Hynesです。そうそう、彼のアルバム『Negro Swan』のジャケットを撮影したのもAnaなのです。

また、インダストリアルミュージックの創始者として崇められるPsychic TVのGenesis Breyer P-Orridgeの姿もありました。日本では、コアな音楽ファンに支持を得る存在ですが、実はMarc Jacobsのキャンペーンに登場したこともあるんですよ。惜しくも3月に他界してしまいましたが、海外のファッション賢者たちが一斉に追悼投稿をしていたのが印象的だった人物です。

ファッションからカルチャーまでを優雅に行き来する一冊は、豊かな交友関係が映し出されていると同時に、奥行きある彼女の内面をビジュアル化したかのよう。

ページをめくり終えると、改めて自分はファッションとカルチャーの交差点にインスピレーションをもらっているんだなと、原点を見つめ直すことができたひとときでした。

自粛疲れも叫ばれますが、とことん自分の“好き”と向き合う時間が手に入ったのは嬉しい。

そんなときに、誰かの活動をサポートしてみるという気持ちで、ファッションやカルチャーに触れてみるのはどうでしょう?そっと、ハッピーな気分が舞い降りてくるはず。

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エディターTAKEUCHI

ハイウェストのボトムスと、美味しいビールに目がありません。
日々ぽっこりお腹と格闘する万年ダイエッターですが、腹筋より散歩で鍛えた脚力が自慢です。

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