今年も梅雨がやってきました。強い雨が降ったり、真夏のように暑い日があったり、不安定な気候ですが、そんな時こそ、好きな服を着て自分の気持ちをチューニングすることの大切さを感じています。
今の私にとって、雨の日をちょっと楽しみな一日に変えてくれるのが、D'HEYGEREとロンシャンのコラボレーションによるウインドブレーカー。おなじみのロンシャンのル・プリアージュのレザーラベルが中央についたポンチョタイプで、スポーティだけど上品なムードが漂います。雨専用のものではないので、もちろん雨が降らない日にも着ているのですが、お気に入りの服を身に着けると、それだけで気分が上がるので、雨の日に積極的に着用しています。
このウインドブレーカーを買ったのは、今年の3月のこと。日に日に広がる新型コロナウイルスの感染状況におびえながらも、まだ通常通り取材をしている時期でした。6月号の「TOKYOで服を売る私」という特集の取材で、夏川イコさんのセレクトショップ「High and Seek」に伺ったんです。ショップに入った瞬間、このウインドブレーカーが目に飛び込んできて、思わず「かわいいですねー」と鼻息荒くしていると、「ぜひ試着してください」と夏川さん。一緒に行ったカメラマンさんやエディターさんが粛々と取材の準備をしてくださっているなか、自分の物欲を暴走させておりました……。
その取材は、なぜ東京に実店舗をもつのか、ショップにこだわる理由を伺うものだったのですが、その時の夏川さんの言葉がとても印象的でした。夏川さんは、服好きの友人に「可愛いものがあったよ、見に来て!」と報告するような気持ちで、自分が本当に良いと思った洋服だけをバイイングしているそうです。そのため、以前から実店舗だけでなくオンラインでの販売をおこなっていたけれど、いわゆるショッピングサイトのようにカートに入れて終わり、ではなく、メールでやり取りする方法を取っているとのこと。洋服を選ぶセンスだけでなく、血の通ったコミュニケーションを大切にしているからこそ、このショップに並ぶ服はより素敵に見えるんだなと実感しました。
私自身、このウインドブレーカーがパッションを持って選ばれていると知ったことで、ますます愛着がわき、袖を通すのがもっと楽しみに。気持ちが落ち込む時こそ、そんな服のパワーを借りて前向きになれたらいいな、と思う雨の日です。
物心がついた時からパンツ派。今、一番興味があるのは、どうやったら居心地のよい部屋で暮らせるのか。美容、アート担当です。