10年ほど前でしょうか、パリコレのスナップ取材時、若手モデルたちに目標を聞くと、みんな口を揃えて「ヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルになること!」と言っていました。ヘルシーでセクシーなエンジェルたちは確かに輝いていましたが、多様性の時代になり、同ブランドもイメージを刷新。今年、日本人で初めて、我らがCHIHARUちゃんがキャンペーンに登場している姿を見て、本当に感慨深く、めちゃくちゃ嬉しくなりました。日本のランジェリー界を牽引してきたピーチ・ジョンもバービーさんとコラボレーションしたラインを発表するなど、ボディ・ポジティブなムーブメントは大歓迎です。
そんなことを考えたのは、まどか先生こと、山崎まどかさんによる新著『ランジェリー・イン・シネマ〜下着が語るヒロインのストーリー』を手にしたから。
映画や小説に出てくる下着シーンをピックアップし、ユニークな視点で作品を読み解いている評論集です。見開きで完結している文章は無駄がなく、軽やかな文体でするすると脳内に入ってきますが、いつも必ずどこかにへー!とか、そうなんだ!といった新しい発見(視座)があります。(それがまどか先生の素晴らしいところ!)
直近では『ハスラーズ』がピックアップされています。セクシーの象徴だと思っていたジェニファー・ロペスを初めてかっこいい!と思い、痺れた作品。衣装目線で捉えると、J. Loの過去に遡ってマジで尊敬!
知っている作品も、知らなかった作品も、読み終わるとグッと愛おしくなる。そして、自分の中にあったランジェリーへの固定概念が解きほぐされていくのを感じます。
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。