2020.11.07

泣きたい日のチーク

在宅勤務がメインになり、ずいぶんと生活がしやすくなった反面、個人的には会社に行く利点にも気づかされる日々です。何かというと、やはり同僚とのたわいのない雑談。自分にとっては結構癒しになっていたんだなぁということ。もちろんそれが苦手で、黙々と作業に没頭する方が向いている人もたくさんいると思います。職場の人間関係が良好であることが前提でもあるでしょう。でもとにかくやることが膨大にあり、それを毎日自宅で延々こなしていると、ときどき虚しく、やるせない気持ちになったりするんですよね。時には愚痴を言いたい日だってあります。でもどうにか朝起きあがって、目の前の仕事に取り組まねばならない。一人で。そんな日に、意外に化粧をするっていう行為が処方箋になると気付きました。特に、マスクによって存在が霞んでいそうな選手、チーク! 今までほぼチークレスできたのですが、チークをひとはけという行為がもたらす心への効用に気づいたんです。おすすめは、NARSブラッシュ 4084

これが、本当にとてもいい。ブラシにとって頬に1回のせても、ほとんどつきません。この「ほとんどつかない」っていうのが重要。ぼってりのっちゃうと一気に顔が台無しになるんですよ。でもこれは2〜3回重ねて、ようやくおお、血色感が宿ったわ!というくらい薄づき。しかも肌の色を透かして、うっすらとピンク味がにじむ。自分の肌と混じり合って桃みたいな肌になるんです。チークって、頬を染めるというよりは表情の印象を変える道具なんですね。ぽっと明るさが灯った顔をみて、活力が5%くらい増すんです。
ただこれがもう少し濃かったり、赤かったり、オレンジ寄りだったりすると、私の場合は心が弱っているときには強すぎるというか、元気にされすぎてしんどい。誰かに悩みを打ち明けたときに、アドバイスが加速していつの間にか「説教されてないかこれ」ってことありませんか(笑)。でもこれは、ただ弱った心にそっと寄り添って、うんうんって聞いてくれる。肩をトントンとたたいてそばにいてくれる、そんな感じのチークなんです。もし今、いろいろうまくいかなくて、なんだか泣きたくて、でもそれを打ち明ける人がそばにいない状況の方は、試しにチークをひとはけ塗ってみてください。ちょっと気持ちが楽になるかもしれません。それで元気になれなくても、そんな日があっても、大丈夫です。

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エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。