「川久保センセイは、後世に残るような作品に取りかかってるね」。私の首元のネックレスを目にしたスタイリストさんの言葉です。
ミキモトとコム デ ギャルソンのコラボレーション。シングルストランドの真珠のネックレスをじょきんと切って、チェーンと繋げちゃった。誰かが思いつくようで思いつかない、シンプル極まりないアイディアです。そしてなんとも大胆! ちょうど一年前ほど、コロンブスの卵のような大発明にモード界は騒然となりました。
後日、ジュエリーを試しづけする機会がありました。6mmのアコヤ真珠とチェーン半々の、もっとも手に届きやすいお値段で基本のデザイン。その場にはスタッフ老若男女計5名が居合わせたのですが、なんと全員に似合ったのです。当日の服装で言えばシャツ、ボーダー、スエット、ダウン、ニット。もともとローンチ時には「男性が真珠をつける」というテーマを謳っていました。が、その域すら超えた、ユニバーサルなデザインだったんですね。
ギャルソンが老舗中の老舗ジュエラーであるミキモトをタッグを組んだ、というのも頷けます。破壊的なアイディアですが、普遍的な美しさが宿っているんです。見事なまでに揃った真珠の粒の大きさと上品な輝き、チェーンとの繋ぎめのしなやかさ。どんなに“変わったこと“をやっていても、品格だけは忘れない。それがモードだよ。そんなお告げが降ってきたようでした。
とても実用的なジュエリーでもあります。クラスプをチェーンの好きな位置で留められる。目一杯首に沿うように止めて、チョーカー風につけるとセンシュアル。シャツなんかには、ちょっと長めにゆるっと。パールとチェーン、どの部分を多めに見せるかもその日のお好みで。エターナルでありながら、ファッション感覚でもあり。
私はミキモトの店舗で買いましたが、パールの絶妙に異なる艶感や色味を選ぶプロセスがワクワクを加速させます。(※お店の状況にもよります)
3月5日にはコラボレーションの第二弾も登場。こちらもファッション好きが狂喜乱舞するデザインにグレードアップ。まずは「基本のき」を手に入れるもよし、いきなり新作に行っちゃうもよし。新型コロナと緊急事態宣言の状況にもよりますが、機会があればぜひ店舗で白い輝きに包まれながら、実物を目撃してください。
ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。