暖かくなるにつれて、やはりブーツから軽めの足元にシフトしたくなりますよね。気づけば何年もしっくりくるサンダルを探し続けていました。歩きやすさは抜群だけれどちょっとスポーティ、スタイルアップして見えるけれどカジュアル……など、フィットする逸品になかなか巡り会えずにいました。ただそれが、すべてを兼ね備えたダークホースが意外と身近なところにいたんですよ……! こちら、UNTISHOLDのMARTAです。
ご覧の通り、分厚めのプラットフォームが特徴。9cmものヒール高がぐっと足のラインを美しく演出しつつ、このボリュームにより重心が下がり、服を着た時の全身のバランスが驚くほどモードに決まるんです。スクエアトゥのデザインも相まって、さりげない洒落た表情もプラスされる。そして、決してゴツすぎる印象にならない。この塩梅は絶妙です。また、肌なじみのいいPig Leatherもポイントです。ソフトな質感で甲をホールドするので、歩きやすさも申し分なし。さらにはこのルックスに反して、実際の履き心地が軽いんですよ! これはリモートワークになったとはいえ、外をガツガツ歩く日もある自分にとってはかなり重要なところ。散歩が気持ちいい季節にもぴったりですよね。
夏前までは、断然靴下とのマッチングを楽しみたいんです。レトロなチェックパンツに、ブラックのチュールのドレス、そして何よりネオンカラーの差し色がまさに気分。ロマンティックなムードに山椒的なピリッとしたアクセントを加えたい。ケミカルな発色は、2021年秋冬シーズンのランウェイでも多く目撃されましたね。仕上げにこのMARTAのブラックが服の掛け合わせを集約し、大黒柱として端正にまとめてくれる。素晴らしい包容力があるんですよね。
個人的にはブラウンも大好きです。自分のシューズボックスを開くと、やはり使いやすいブラックのシューズが多い……。なんとなくほっこりやカジュアルに転ぶことを懸念して敬遠していたこのカラーですが、今年はまさに茶色が履きたい!という心持ちに。今までなら同系色やグレーなどを合わせがちだったのですが、ペールトーンなら春らしくモダンに。柔らかいピンクのスカートに、肌が透けるシアーなラベンダーのハイソックスを。久々にアンクレットもつけてみたいな〜という熱量のままに、パールビーズのネックレスを足首に巻いてアレンジしています。パープルとブラウンの組み合わせってどこか「知的な可憐さ」を感じてきゅんとします。
スタイルを仕上げる名脇役であり、影の主役と言っても過言ではない。装いに助演俳優賞があるならば、間違いなくトロフィーをゲットし壇上で名スピーチを披露するでしょう。そんな、ありそうでなかった「仕事のできる」靴なんです。東京発のブランドならではのリアルな生活風景に寄り添った設計を感じます。価格は税込で38,500円。玄関でつい手に取ってしまう朝が眼前に浮かびつつ、日割り計算したらコストパフォーマンスも優秀すぎる!と勝手に思ってます。持っていて絶対に損はなし。ワードローブ計画の参考に、ぜひチェックしてみてください。
好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。