皆さんは服を買う際に、地球へのやさしさ、そしてもの作りに携わっている人々の環境についてどれくらい考えますか? 私のまわりでは、服が好きな人ほど「もはやそれを無視して買い物できない」という人が増えてきている印象です。
サステイナブルという言葉がこんなにもファッション業界に浸透する前から、ずーっと持続可能なものづくりに向き合ってきたブランドがあります。「ORGANIC BY JOHN PATRICK」、モードがお好きな方は、ご存知な方も多いと思います。このたび、そのデザイナーであるジョン・パトリックがロンハーマンとタッグを組み、すべて生産者の顔が見える素材にこだわる(たとえば、このお野菜はこの農家のこの方が作りました、みたいに)プロジェクト「ザ ビューティフル」を発表しました。
また、原料以外は日本向けに日本で制作するという地産地消型のものづくりを行います。そうすることで、生産国から日本への輸送コストとそれに伴う環境負荷を軽減できるんですね。廃棄用の食品で布地を染めるなど、制作面で地球への優しさを考慮していることは言うまでもありません。今回特に素敵だなと思ったのは、服作りに関わる方々の労働状況を保証している、という点。正直最近では服が安ければ安いほど、「この服は正当な対価を生産者に払っているのだろうか……?」と不安に思うこともしばしばありました。しかしこちらで用いている生地、たとえば「トゥルーコットン」は、農場、工場ともにトルコのウチャクという紡績グループときちんとした形で契約を結び、そこで働く方々の労働環境を保証しています。
トゥルーコットンを製作するウチャクで働く方々
そんな「ザ ビューティフル」のコレクションから今日は可愛すぎるサンドレスをご紹介します。そもそもジョン・パトリックのデザインにおいて定評があるのはオーガニックな素材選びはもちろん、パターンの美しさなんです。ベーシックで、着る人の存在感を自然と立たせる服。こちらのドレスはまさにそれを象徴する一着です。夏にも着られる軽やかな薄手のウールは、豪州のグランピアンズ地方で生産されたもの。
正直かかっているだけではちょっとお地味なのですが、着用したときにその感動の波は押し寄せます。ウエストの切り替えが上のほうに設定されているので、スタイルがとても良くみえるのです。さらにウエスト部分にタックが細かく配されていて、プリーツからフレアへと自然に流れていく様が実にドラマティック。ちょっとユニフォーム風といいますか、プレッピーなムードも好きです。ソックスやシューズでポイントを利かせて着たいなと思っています。ベーシックなアイテムなので、トレンドに関係なく長く大切に着られるところも魅力ですね。
服がたどった経緯を消費者へ伝えるトレーサビリティと、そこに関わった人、環境への配慮。心から安心して着られる服は「ザ ビューティフル」にあります。ロンハーマンにて展開中。ぜひ足を運び、試着してみてください。
ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。