親友はサンダルウッドです。香りの中でもいちばん好きなのが、白檀。ゆえに香水はもちろん、身のまわりの香りアイテムは、サンダルウッドをうたうプロダクトで揃えてきました。ええ、もうお百度参り級に。
地下鉄で「アッ‥…この人、サンダルウッドの香水つけてる」と、隣の人をチラチラ横目で観察したこともあります。知的で控えめ、物静かだけれど独特のクセが垣間見えて、真顔で面白いことをぼそっと口にする。装いはいつも上品でシンプル。「サンダルウッドが似合う人」という人物像が自分の中で勝手にできあがり、自分もいつかサンダルウッドの風をまとわせた素敵な大人になりたいと思っているうちに、良い感じの年齢になりました。
かといって、白檀ならなんでもいいわけじゃありません。サンダルウッド絶対主義者としても、流儀というものがあるんです。ケミカルな香り立ちは好みじゃない。天然由来成分のほうがいい。サンダルウッドという名前だったとしても透明感が大切で、パウダリー過ぎたり、トゲトゲした芳香は苦手です。
手洗いの頻度が劇的に増加したこの1年半、前にも増してソープにこだわるようになりました。できることなら、大好きなサンダルウッドの香りがいいに決まってる。こだわりが強すぎるサンダルウッダーが複数の製品を精査した結果、勝ち残ったソープの話を今日はさせてください。ドクターブロナーのオーガニックソープのことです。
スパに行くのも、出歩くのもはばかられる毎日。それなら自宅のお風呂に少しばかりの投資をすればいいんです。浴室という限りなくプライベートな空間は、自分をいちばん甘やかす香りで満たすべき。そうこの1年半で実感しました。
そこでこのソープ。もやもやした気持ちをリセットしたいとき、頼ってしまうのがドクターブロナー マジックソープ サンダルウッド&ジャスミン。天然エッセンシャルオイルを配合したウッディな白檀が気分をすーっと緩める一方で、ほのかな甘さのジャスミンが華やぎを添える。10月になった今ならなおのこと、秋深まる季節にこそ試してほしい。ほどよいオリエンタルな香りが、年末に向かうせわしなさをゆるっとほどいてくれるはずです。
必ず試してほしいのが、浴室での深呼吸。その日あった嫌なことや面倒なことを、心象風景からファッサーと洗い流します。「今日もなんとか乗り切った!」と思えるこの瞬間、自分にとってはとても、とても貴重なんですよ。バスルームで肩と心の緊張をリリースする自分なりの儀式を行うことで、より良い明日のためのリセットができるようにも思います。自分の機嫌を自分でケアするには、お風呂が侮れない―この1年半で、身をもって知りました。
お風呂だけじゃありません。マジックソープの離れ業は、1本でマルチに使える点。体、顔は当たり前。シェービングにも使えるし、洋服の部分汚れの洗濯も。ハンカチなど小物洗いのほか、メイクアップブラシのお手入れもなんのその、家の中の掃除のほか、食器洗いにまで使えるというオールラウンダーなんです。このソープがアスリートで、陸上競技の十種競技に出場したらぶっちぎりで優勝してしまうのでは。この夏はテレビを観ながらそんな妄想が止まりませんでしたね。
おしゃれスナップ、モデル連載コラム、美容専門誌などを経て現職。
趣味は相撲観戦、SPURおやつ部員。