数日前。仕事で渋谷の東急ハンズに用事があり、そういえばと向かいのGEN GEN ANに寄ってみました。
コンクリート打ちっぱなしの店内に、積み重なったカセットテープ。日本茶などを「ナウい」(あえて死語を使います)スタイルで味わえる店として、海外からの観光客の方にも人気でした。
ですが、今は席は取っ払ってカウンターを設え、テイクアウト専門店になっていました。このご時世、そりゃそうですよね……。宇田川町らしい音楽カルチャーと、漢方薬局的なムードの融合。ユニークなスタイルは不変です。それでも、さまざまな国籍のヒップな人びとで賑わっていた頃を思い出してちょっと感傷的になりました。
何度行っても満席で入れなかったり、店員の方に申し訳なさそうに「あそこなら…空いてます」と案内されたむき出しのダクト(だったと思います、確か)に腰かけて、ちょっと座りづらいけどワクワクしながらお茶をいただいたことも。
緊急事態宣言下で飲食店を経営される方々の、日夜考えに考え、知恵を振り絞り、業態をなみなみならぬ努力で適応させ、もしくはお店を閉めるという苦渋の決断を下す……という姿を、目のあたりにしています。そんななかで出してくださるものをできるだけ頻繁に買って美味しくいただくようにはしていますが、あまりにも微力で。ただただ思いを馳せています。
GEN GEN ANで店員さんに選んでいただいたのが、「薪火晩茶 生姜」。店舗さながら、とびきり個性的です。先日、オードリー・タンさんがとある番組で「お茶は時間のしおり」と仰っていましたが、心身ともに引きこむくらいソウルのあるお茶こそ、“しおり“に相応しい。というわけで、1日の終わりに携帯もパソコンもオフして一杯。まずは嗅覚に訴えかけてきます。全身を包み込むようにスモーキー。その後やってくるのは、まろやかな甘さ。一瞬「ゴボウ入ってましたっけ?」と聞きたくなる滋味深さ。朝鮮人参とナツメがいい仕事してます。生姜の刺激はどこまでも優しい。こちらはオンラインでも購入できます。
エディターNAMIKI
ジュエリー&ウォッチ担当。きらめくモノとフィギュアスケート観戦に元気をもらっています。永遠にミーハーです。