"少し不思議"なリングがある毎日

ニュースを見ていて、息苦しいなと思う瞬間が増えました。身につまされる事件が増えていることもそうですし、責任を取るべき人が取らずに逃げ続けていることにもなんとも言えない気持ちになります。コロナ前であれば、友人とおいしいものを食べてはしゃいだり、旅行に行ったりすることで、この息苦しさは紛れていたような気がするのですが、今はそれも簡単にはかないません。もやもやとした気持ちを抱えつつ、ネットを見ていた時のこと。いつもチェックしている通販サイトにこのリングが掲載されていたんです。

BEA BONGIASCAというブランドのエナメルリング。最初は不思議な形だなぁ、と思ったのですが、眺めていると、今までにないデザインに、ぎゅっと心を掴まれました。ここ最近、物欲が低下していたのですが、そんなことを忘れてしまうくらいに「欲しい!」という気持ちが高まります。今までの私であれば、何も考えずにポチッとしていたのですが、つい先日海外通販で失敗した苦い経験があり、まずはいったん心を落ち着けようと、一度はページを閉じました。けれど数日経っても、やっぱりあのリングが可愛かったなと、反芻のようによみがえってくるんです。これはもう買うしかない!とすかさずポチッ。届いてみたら、ボリュームはあるものの指に馴染むデザインで、愛嬌のあるデザインも相まって、じわじわと買ってよかったという思いがこみ上げました。

このリングはつる植物をモチーフにしているそうなのですが、まるで生き物のようなフォルムがチャーミング。自宅で仕事をしていると、話す相手もおらず煮詰まってしまうことがあるのですが、そんな時にこのリングが目に入ることで気持ちがふわっと軽くなりました。

現在発売中のSPUR5月号の特集「わたしの『並行現実』な世界」で、臨床心理士のみたらし加奈さんにインタビューをしていますが、その中で、新しい生活様式で精神衛生を保つためには“遊び心をもつこと”が重要と指摘されていました。このリングを身につけていて気がついたのは、“少し不思議”な存在が身近にいることで、忘れていた遊び心が刺激されるということ。疲れているときこそ、ちょっぴりユニークなアイテムから力をもらいたいと思います。

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エディターMORITA

物心がついた時からパンツ派。今、一番興味があるのは、どうやったら居心地のよい部屋で暮らせるのか。美容、アート担当です。

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