ある日、待ち合わせた方が遠くから歩いてきたんです。その人の装いはセンタープレスが施された濃紺のハーフショーツに、ブラックのブーツ。その佇まいがあまりに品があって素敵で「こ、この靴はどこのブランドのものなんですか!?」と息巻いて尋ねると「ブーツはBOTTEGA VENETAだよ」とのこと。あ、あの!と合点が行きました。シグネチャーのひとつとして人気のアイテムですが、改めてモダンで素敵だと感じました。同時に頭の中には数ヶ月前のクリエイティブ・ディレクターのダニエル・リー退任のニュースがかすめ、真似してもいいですか……と尋ねた上で「行くなら今だ」と探しにいくことに。
数日後、旗艦店に訪れて試着してみました。該当のラグブーツのほかに、波打つソールの形状が特徴的なタイヤシリーズもまた素敵で。カラー展開もあることで盛大に悩みまくり(笑)、結局その日は決められずに帰宅。が、やはり忘れられず再訪し、最初に狙いを定めていた一番スタンダードなラグブーツのブラックを選びました。
このブーツの鍵は、やはり足もとのぼてっとしたボリュームとタイトな筒のコントラスト。サイドゴアといえど、かなり細めの設計なのでセカンドスキンのようにピタリと肌に密着する感覚があります。それが爪先の曲線的なラインと掛け合わさることでモダンな表情に。前後に配されているレザータブも効いています。サイジング自体は大きめなので、購入前の試着がおすすめです。私は普段は35サイズですが、34と34.5を履き比べて34をチョイス(ちなみにおろしたての今、若干踵が靴擦れっぽくなっている……のは、それでもわずかにゆるかったからだと思います。中敷をもう一枚入れて調整を試みています!)。ソールの高低差がないのと見た目よりかなり軽いのでガシガシ歩けるはず。
「“変”なものに愛を注ぎたい2022」と以前の記事では書きましたが、ラグブーツのモードな包容力は、どんなデザインフルなトップスだって、不思議なフォルムのスカートだって、きちんと成立させてくれそうです。色付きソールとも散々悩んで黒を選んだのも、足もとは引き算しながら色々な装いと合わせたいから。大事に、たくさん履いていこうと思います!
好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。