今年の春夏ファッションは近年稀に見る「肌見せ」ブームですよね。ミュウミュウのようながっつりお腹見せというのもあれば、アライアのようなちょい肌見せパターンも。前見頃は普通のTシャツだけど背中がばっくり開いている、というデザインもありますね。しかし、私は肌を見せたくないんです。自信もないし、夏に腹筋が割れている予定もない。このトレンドに関しては、どこか居心地の悪さを感じていました。一方で、可愛いアイテムを見るとチャレンジしてみたい気持ちも捨てきれない。ということで、中にセカンドスキントップスを着て、レイヤードすればいいじゃん!と思っていたのです。ところが、自前のものは柄の主張があるものばかりでして、肌見せで大事な“抜け感”は得られないことに先日気づきました(苦笑)。
そこで思い出したのが、メゾン マルジェラのボディスーツの存在! 数年前に上司とパリのメゾン マルジェラのショップを訪れた際、ラックにベージュのボディスーツがかかっていました。上司が「これは出会ったら買っておいた方がいいよ! めっちゃ使えるから!」と教えてくれたのですが、「母親が昔着ていたような肌着にも見えるこのアイテムが!?」と訝しんでしまいまして、購入せずに店を出ました。当時の私は、モード誌編集者として何も分かっていなかった……。メゾン マルジェラのボディスーツの威力たるや! 購入したてのこちらは、生地感も、フィット感もシルエットも、母親の下着とは一線を画すピリリとしたモード感がある(当たり前か)! メゾンのタイムレスなワードローブとして「アイコンズ」に名を連ねているだけあるなあと感心します。肌見せしているようで、ちゃんと一枚着ている安心感と、肌見せの抜け感が両立するとは、最高すぎます。こちらを手にした私には、もう怖いものはない!という気分です。
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。