あの名作椅子と、暮らし始めました 〜ボーエ・モーエンセン J 39の話〜

あの名作椅子と、暮らし始めました 〜ボーの画像_1

「ううう、もう二度と粗大ゴミは出しますまい!!」 粗大ゴミシールを貼り、深夜に一人、えっちらおっちらマンションのゴミ捨て場へ、これまで使っていたダイニングチェアを運び出した時にそう決意しました。今年頭に引っ越したのですが、部屋の間取りの変化もあり、ダイニングセットは新調することに。古いものはやむなく捨てることにしたんです。

  引っ越しの際に、できるだけ粗大ゴミは出さないようにしようと思い、いろいろなものを下取りなどに出したのですが、ただ、どうしてもそれすらも難しいものがダイニングチェアでした(格安家具だったので引き取り手がなく、メルカリなども断念)。結局2脚あるうちの一脚を捨て、もう一脚はテーブルとセットで引き続き作業デスクとして活用中です。

  で、新しい椅子をどうするか。これには相当悩みました。だけど、引っ越して以降、家具や家電を手放すことの大変さを知った(下取りに出す手間)し、捨てることにも罪悪感を感じてしまったので、「一生使えるもの(メンテナンスしてもらえる)、好きでいられるもの」、もしくは「万が一手放す時も引き取ってもらいやすいもの」という条件がまず頭に浮かびました。で、わかりやすく「名作椅子」と言われるジャンルに興味を持ち始めたんです。

1947年にデンマークの家具デザイナー、ボーエ・モーエンセンが発表した、あまりにも有名な名作椅子がこのJ 39。オーセンティックを極めたデザインで、シーンを選ばず使えて、かつ広く普及したことからピープルズチェアとも言われています。とまあ、こんな風に今原稿を書いてますが、お恥ずかしながら最初は「え? ぼーげ、もーへんせん?? ぼーえ、もーげんせん??」と、デザイナーの名前から混乱するくらいのレベル。他にも名作椅子というものはいくつもチェックしたのですが、ペーパーコードの雰囲気が好きだったのと、座面が広いので座りやすそう、ということと、何より佇まいが決め手になりました。

あの名作椅子と、暮らし始めました 〜ボーの画像_2

最初はヴィンテージを買うつもりだったのですが、ふと、名作椅子のヴィンテージって私みたいな“にわか”家具好き、みたいな人間が買っていいんだろうか?と思ってしまいまして・・・(いや、別にいいんだと思います)。正直、引き継ぐことの重さ、みたいなものを急に感じて怯んでしまったんです(多分考えすぎ)。で、予定を変更して新品を買うことにしまさした。当初はピカピカの新品は部屋に浮いている気もしなくもなかったのですが、それもまた今しかない味わい。家に迎え入れて約2ヶ月、だんだん馴染んできたような気がします。

オーク材の部分は経年変化でこれからも少しづつ落ちついたアメ色になっていくようで、それも楽しみです。 日常生活でガシガシ使ってもどっしり安定感あるところも良い。

値段もそれなりにしましたが、自分がこれから年を重ねるのと同じだけの時間を共に過ごしていく、頼もしい仲間が見つかった気分です。

20年後、どんな自分が座っているのかな?と妄想を膨らませていたら、年をとるのが少し楽しみになりました。

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エディターASADA

主に美容担当。山登りなど自然に触れることが好き。最近は健康とかインナービューティとかいう言葉にめっぽう弱くなりました。

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