【メゾン マルジェラ】の名品【タビ】をついに購入した話

気が付くと、今年ももうあと二日。瞬く間に終わってしまったな、と思う反面、とても濃密だった日々を思い出し、余韻に浸っています。そんな一年の締めくくりに、先日自分にとある贈り物をしました。

床に置かれた、メゾン マルジェラの足袋(タビ) ブーツ。
メゾン マルジェラ Tabiシリーズのローファーです。

購入したのは、言わずと知れた名品、「タビ」。日本の伝統的な“足袋”から着想を得たデザインは、モード界隈から熱烈な支持を受けるメゾン マルジェラのアイコンです。国内外のストリートスナップでも、これでもかとよく目にするこのシューズ。緊張して向かった取材先で、お洒落な人の足元に目を向けるとタビ、更に編集部の先輩方の足元にもタビ、なんて経験を重ねているうちに、「私も一足持っておきたい」と思うようになりました。

そのあまりの人気ぶりに、「被りたくないからいいや」と思うこともあったのですが、つま先の形を共通項としつつ、毎年さまざまなラインナップを出しているのが心憎い。ヒール部分がデザイン性に富んだブーツや、両足で色味が違うものなど、同じシリーズでも多種多様です。また、買った人にお話を聞くと、一足一足にその人の物語(何年にどんなきっかけで購入した、など)や個性が滲んでいるのが味わい深いんです。タビシューズに限らずかもしれませんが、長い歴史の中で変化するデザインの刹那がスタイルに溶け込んでいくのって、とっても素敵だなあと思います。

そんな風に思いを募らせ、満を持して手に入れたのが、ローファータイプの一足です。光沢感のある端正なローファーは、コーディネートをきちんと見せたい日にもぴったり。それでいて、つま先のひとひねりがスタイリングによく効きます。デイリーにも、オケージョンシーンでも使えそうな万能選手です。

メゾン マルジェラ 足袋ブーツの寄りの写真。
よく見ると、足袋の内側部分にはよりしなやかなレザーを使用。部位によって素材を変えています。

デザインの個人的偏愛ポイントを上げるならば、ウェルト部分のこのディテール。見つめていると、幼少期に自宅でつくったアップルパイを思い出します。リンゴをパイ生地で包み込むために、フォークで押し付ける縁の模様に似ていませんか?  幼い頃、フォークでにゅっにゅっとパイシートを押さえるあの感触が大好きだったのですが、そんな温かい記憶がよみがえります(共感していただける方、いますでしょうか…)。

ブラックのパンツの裾から顔を出すメゾン マルジェラの足袋ブーツ。
足元を見るたびに、マスクの下でにんまりしています。

パンツは少し引きずるくらい長いものが好き。だから、ロング丈の裾からちょこっと見えるつま先にもきゅんとします。全体像はほとんどパンツで隠れてしまっているのに、少しだけ見える先端で「こんにちは!タビだよ!」と意思表示をしているように見えて、その健気な感じが愛おしいのです(笑)。

 

メゾン マルジェラ 足袋ブーツのアウトソール。裏張りの様子。

私は表参道のGYREに入っているメゾン マルジェラの店舗にて購入したのですが、購入後に追加料金を払えば、裏張りもしてもらえます。ちなみに、かかとの下部には取り換え可能なソールがあらかじめ付いているため、すり減ったら取り換えもしてもらえるそうです。歩くのが好きなこともあり、シューズをすぐに履きつぶしまう私。長く愛用するためにいろいろな配慮がされていることにも感動しました。

2023年、この一足とともに、どんな場所へ行こうか。妄想するだけで、気分良く年を越せそうです。皆様も、どうか良いお年をお迎えください!

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エディターSASAYAMA

周囲の人の着こなしが気になって仕方ない私服ウォッチャー。
街でも目を光らせています。ミニマルで、少しひねりのある服が好きです。

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