フレグランス市場、かなり盛り上がっていますね。在宅時間も増え、なかなか海外にも行けない今、もっとも親密で気軽なマインドチェンジのために香りに手が伸びるのも激しく頷けます。かくいう私も、ああ、悶々とした気分を変えたいな……と思い、しばらく新調していなかった香水を新たに迎え入れようと探していました。手に入れたのは、フランス発の気鋭ブランド「ORMAIE(オルメ)」の一本です。色々と店舗に訪れたりリサーチをしていたさなか、編集部の同僚に「最近おすすめの香水ってある?」と尋ねたところ「ここ、いいですよ!」と教えてもらったんです。
100mlと50mlで展開があり、こちらは50mlのもの
ORMAIEはフレグランスコンサルタントのマリー=リーズ・ジョナックさんと、ルイ・ヴィトンやジバンシィのコミュニケーション部門でのキャリアを積んだ息子バティストさんの親子が手がけるブランド。原料はナチュラルな植物由来のもののみで仕上げられたヴィーガン香水です。日本での取り扱いはTOMORROWLANDにて。まず目を引くのは、このウッドのキャップですよね。こちらはブナ材から手作業で形成されたもので、種類によりフォルムやデザインが異なるのもポイント。積み木のように遊び心ある色も可愛らしく、並んでいると本当に可愛い。部屋に飾るだけで、モダンなインテリアの一部に。そんなルックスも加味した上散々試香させてもらい、最終的に決めたのは「Toï Toï Toï ( トイ・トイ・トイ )」。ダンサーが舞台に上がる前のおまじないを冠した一本は、ウッディかつほんのり甘さのある香りに惹かれました。ちょっと湿ったイノセンスといいますか、柔らかくも緊張感のあるムードです。シューズに松やにを塗って、バレエシューズの紐をキュッと結び、フロアに一歩を踏み出す……ような記憶が私にはないものの、そんな情景も浮かぶのかもしれません。子どもの頃に衝撃を受けた映画に岩井俊二監督の『花とアリス』('04)があり、蒼井優さんが紙コップをバレエシューズ代わりに踊るシーンの美しさは今でも思い出せます。そんなエモーショナルな思い出と繋がったのもあって、我が家に迎え入れました。今はすっかり出かける前、疲れたタイミング、気分転換したい時、などにつけてリフレッシュしているお気に入りです。
発売中のSPUR5月号の香水特集「ニッチフレグランスのを装う」では、こちらの「ORMAIE」のほかにも魅力的でインディペンデントなブランドが多数掲載されています。ぜひチェックしてみてください!
好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。