夏服をシックに変える、エルメスのペンダント

2019年の夏、入社以来はじめての長期休暇をもらって欧州を旅しました。トランジットの都合で旅の始まりと終わりはパリ。せっかくなので一度目と二度目では違う場所に出かけたものの、唯一二回とも訪れたのがエルメスのセーブル店でした。屋内プールとして使われていた建物を改装したお店は天窓から日光が降り注ぐ気持ちがいい空間。広大な店内にはカフェやブックショップ、フラワーアトリエも併設されていて、一歩足を踏みいれるだけで高揚感を得られ、心が豊かになるのを感じます。多くの旅行者と同じく、私もこの空間に魅了されました。

写真は2019年当時に撮影したものです
写真は2019年当時に撮影したものです

何度でも訪れたくなる素晴らしい空間ですが二度訪れたのはもうひとつ理由があって、あるアイテムの購入を悩んでいたから。それは日本では既に入手困難となっていたシェーヌ・ダンクルのブレスレット。当時のセーブル店にはバリエーション豊富に在庫があり「メンズのボリュームのあるサイズがいいかな?」、「自分の腕にフィットするサイズのほうが……」とアレコレ悩んでいたら迷宮入り。二度目の訪問でも決めきれず、素敵なお店で旅の思い出を買うのはあきらめようかと思っていたところ、別のアイテムが目に飛び込んできました。接客をしてくれていたスタッフの女性がつけていたペンダントです。

アイコニックなペンダントトップのネックレスは、その上のリングに細いバーを通して装着するミニマルなデザイン。それをセーブル店で働き始めたばかりだという愛らしいスタッフの女性が身に着けていたのが、とても素敵で! Tシャツと麻のブレザーというオーセンティックな着こなしに大きすぎず、小さすぎないペンダント。当時の日本ではボリュームのあるチェーンのチョーカーやロングネックレスが流行中、首まわりのアクセサリーはどちらかといえば“インパクト重視”のアイテムを多く目にしていた中で、そのスタンダードながら洗練された佇まいに見惚れてしまいました。すぐさま「あなたと同じペンダントをください!」と伝えて購入。以来、私にとっても大切なジュエリーになりました。

このペンダントの出番は7月~9月に出番が多く、ラフになりがちな夏服の格上げ役として活躍させています。Tシャツとデニムの普段着も、これをプラスするだけでシックな表情に変わる頼もしい存在。二度目の訪問で素敵な出合いがあってよかったな、とつけるたびに思います。とはいえ「やはりブレスレットも欲しかったな……」という思いも想起されるので、いつかまたパリに行ける日を夢見ています。

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エディターHA

ワードローブの中心はデニムとメンズのシャツ。『スターウォーズ』シリーズに出てくるイウォークに似た犬と暮らしています。

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