コロナ禍を経て、ファッション関係者がちょこちょこ山梨県に移住しているという噂を最近耳にします。 昨年には、アートにまつわる多目的施設「GASBON METABOLISM(ガスボン メタボリズム)」も山梨に誕生したらしい......。ちょうどそのとき読んでいた『〈問い〉から始めるアート思考』(光文社新書)の著者、吉井仁実さんは、山梨県北杜市にある清治芸術村の理事長を務めていらっしゃる。アーティストランレジデンシーの6okkenは、最近河口湖周辺に拠点を移したもよう。意識しだすと急に目に入るようになった「山梨」の2文字。実際に行ってみなければ!ということで、先日、あずさに乗って行ってきました。
事前にリサーチを重ね、訪れたのは以下6件。
・「GASBON METABOLISM(ガスボン メタボリズム)」 昨年8月にオープンした新スポット。火曜~木曜はアーティストレジデンシーメイン、金曜~月曜は展示スペースとして機能しています。元工場跡地だという広大な建物には、様々な気鋭アーティストの作品がシームレスに展示されています。
・「ギャラリートラックス」 ちょうど川島小鳥さんの展示を開催しており訪れました。過去には、画家の五木田智央さんや写真家の川内倫子さんも個展を開かれています。展示スペースの階下には小さなカフェがあり、ソファーに座る看板犬のビビちゃんがとっても可愛い!
・「sun.days.food」 休日には行列ができるほどの人気ぶりだというカフェレストラン。私が訪れた時間にはもう終了していたのですが、お好み焼きが有名なのだそう。
・「清治芸術村」 安藤忠雄さんが設計された『光の美術館』をはじめ、美術館やアトリエが集まった芸術文化複合施設。自然とアートに一緒に触れ合える開放的な場所で、これからの新緑の季節にぴったりだと思います。
・レストラン「素透撫 stove」 清治芸術村の隣に位置するフレンチレストラン。内装をアーティストの杉本博司さんが手掛け、食事も一皿一皿が美しくデザインされていました。こちらもアートを感じるお店でした。
・「中村キース・へリング美術館」 SPUR2023年4月号の『夏帆とアートな温泉旅へ』内でも紹介している個人美術館。キース・へリングの作品を活かすために設計された、ダイナミックな空間設計にも感動します。
現地ではレンタカーで移動し、2日間でみっちり楽しめるボリュームでした。
どこも熱く語りたいくらい良かったのですが、特に面白かったのは「ガスボン メタボリズム」。金曜から月曜は一般に公開しているのですが、火曜~木曜はアーティストが制作の場として使用しているそう。”作品鑑賞”というと普段は美術館という神聖な場で行うことが多いですが、工場跡地を使ったアーティストレジデンシーにお邪魔する、という感覚が、自分の中ではとても新鮮でした。作家の存在をいつもより身近に感じることができ、作品が生み出される“現在進行形”のわくわくまで体感できるようでした。
そしてこの施設の特徴は、展示・制作フロアが入った建物横に、クラフトビールの醸造所や酒店、食堂が隣接していること。
ガスボンの隣には『MANGOSTEEN HOKUTO』という別の施設があり、「万珍醸造/MANGOSTEEN BREWING LAB/ブルワリー」、「万珍酒店/MANGOSTEEN BOTTLE SHOP/ボトルショップ&タップルーム」、「万珍包/MANGOSTEEN CANTEEN/ビール食堂」の3店が入っています。フロア内にはDJスペースも備え付けれられており、週末にはアーティストの皆さんがここに集まって交流を深めているのだとか。このコミュニティスペースを発端に今後何か新しいムーブメントが起こっていくのかも...!? と想像すると、とても興奮します。
周囲の人の着こなしが気になって仕方ない私服ウォッチャー。
街でも目を光らせています。ミニマルで、少しひねりのある服が好きです。